参考サイト
(https://www.nite.go.jp/data/000103624.pdf)
まずは虫除け基礎知識から。
害虫について
虫には「衛生害虫」と「不快害虫」がいるようです。
「衛生害虫」とは、感染症を媒介する恐れのある虫。
薬機法では、「衛生害虫」を対象とする殺虫剤を規制しています。
衛生害虫:ハエ、ゴキブリ、ダニ、蚊
不快害虫(生活害虫):ハチ、クモなど
製品の説明書やラベルに記載されてる表示を確認することが大切です。
「不快害虫(生活害虫)」専用の製品では、蚊など「衛生害虫」の虫除け効果は期待できず、効果訴求もできない製品です。
色々な区分について
●殺虫剤(家庭用)
DDT(ジクロロジフェニルトリクロルエタン)
有名な白い粉状の殺虫剤。太平洋戦争後の日本で活躍。
環境への残留性が高いなどの安全性の課題から現在は使用禁止。
ピレスロイド系殺虫剤
現在、日本国内で広く使用されている。
ピレスロイドは、蚊取線香などに古くから使われていた除虫菊の花に含まれている殺虫成分。
このピレスロイドをもとに、様々な似た化合物が作られ、それらをま
とめてピレスロイド系殺虫剤と呼ぶ。
哺乳類、鳥類などの温血動物には毒性が低く、虫の神経系(魚類、爬虫類などは含む)に作用してまひさせる。
●虫除け剤(忌避剤)
ピレスロイド系成分も虫除け剤として使用されている。
近年、開発された新しい基剤のDEET(ディート)及びイカリジン。
特に吸血する虫、蚊の虫除け剤として有効。
吸血源の認知を阻害することで忌避効果を発揮する。
直接皮膚につけることで効果が発揮する。
擦ったり洗ったりすることで取れてしまうと効果がなくなってしまう。
年齢、体質によって皮膚に刺激が出ることがある。(特に、ディートは皮膚刺激が高め)
医薬品
くん煙剤、エアゾール剤、防疫用の油剤、乳剤、粉剤
医薬部外品
蚊取線香、電気蚊取(マット式、液体式、ファン式)、毒餌剤、ダニシート、忌避剤
エアゾール剤(有効成分がピレスロイド)、防疫用の油剤、乳剤、粉剤(有効成分がピレスロイド)
※医薬品、医薬部外品はその区分により「第1種医薬品」、「第2種医薬品」、「第3種医薬品」及び「防除用医薬部外品」の記載が必要。(平成21年6月1日施行)
※薬機法のなかで、毒性が強いものとして指定された医薬品は「毒」という文字が、劇性が強いものとして指定された医薬品は「劇」という文字が記載。防除剤の中で一部有機リン系の防除剤がこの劇物の対象となり、白地に赤枠で、その品名および「劇」の文字が記載され、販売が制限(14歳未満への交付は不可等)されます。
防除剤を使用するためのポイント
- 使用の必要性を確認し目的に合った商品を選ぶ。
- 防除したい虫、防除したい場所に合った商品を選ぶ。
- 容器のラベル、説明書等を必ず読む。
- 適切な量を適切な方法で使用する。(使いすぎない)
- ほかの生物に影響しないよう、犬猫金魚等は使用する場所に近づけない。
- 食品、食器にかかったりしないようにする。
ここまで調べた時点で、殺虫と虫除けの両方で効果のある「ピレスロイド」が良さそうだなと見当がつきました。
ただし、この辺までは調べる前の時点でも検討がついてた部分です。
表示ラベルの見た目だけで網羅できており、もっと詳細に見るためには成分を判別するしか方法はなさそうでした。
ピレスロイド系の種類
- アレスリン:熱に対して安定性がある。 蚊取線香、電気蚊取
- イミプロトリン:極めて、速効性がある。 エアゾール剤
- エンペントリン:常温での揮散性がよく、衣類の害虫に有効。衣類用防虫剤
- シフェノトリン:残効性が高い。 エアゾール剤、くん煙剤、乳剤
- シフルトリン:様々な害虫に効果がある。 粉剤
- シラフルオフェン:残効性が高い。 シロアリ用
- トランスフルトリン:揮散性が高く、殺虫効果も優れる。 エアゾール剤、電気蚊取
- ピレトリン:速効性がある。 蚊取線香、エアゾール、油剤、乳剤
- フェノトリン:残効性が高く、速効性がある。エアゾール剤、くん煙剤、乳剤、粉剤、シート剤
- フタルスリン:速効性があり、ノックダウン効果*が高い。エアゾール剤、乳剤、油剤
- フラメトリン:加熱時の揮散性がよく、速効性がある。 蚊取線香、電気蚊取
- プラレトリン:加熱時の揮散性がよく、速効性がある。 エアゾール剤、電気蚊取
- プロフルトリン:常温での揮散性がよく、衣類の害虫に有効。 衣類用防虫剤
- ペルメトリン:残効性が高い。 エアゾール剤、くん煙剤、乳剤、シート剤
- メトフルトリン:揮散性が高く、殺虫効果も優れる。 電気蚊取
- レスメトリン:致死効果がある。 エアゾール剤
で、これらを見比べた結果、「速効性」や「致死効果」、「ノックダウン効果」ではなく「残効性」がポイントでした。
残効性
フェノトリン とくに残効性、速効性がある。ペルメトリン とくに残効性が高い。シラフルオフェン とくに残効性が高く、魚毒性が低い。シフェノトリン とくに残効性が高い。
シロアリ用途のシラフルオフェンを除くと、「フェノトリン」、「ペルメトリン」、「シフェノトリン」が良さそうです。
なおかつ、「お肌にも優しい」商品が選定基準となりました。
商品選定タイム
【成分】ジョチュウギクエキス(原液100mlに対し総ピレトリンとして0.60w/v%、水、ケロシン(灯油)、LPG、他3成分
→ピレトリン(速効性)のためNG
【成分】有効成分(原液100mlあたり)…ピレスロイド (d-T80-フタルスリン0.250w/v%、d-T80-レスメトリン0.033w/v%)その他の成分…水、ケロシン(灯油)、LPG、他4成分
→フタルスリン(速効性、ノックダウン効果)、レスメトリン(致死効果)のためNG
というか、ゴキブリ用だと殺虫効果を求めるお客側の要望が大きいためか、スプレー(エアゾール剤)タイプでは、この手の商品が多かったです。
また下記商品は、Amazonの虫除けスプレーでランキング上位でしたのでついでにチェックします。
【成分】イカリジン(原液100mL中15g)その他の成分
→イカリジン(外遊び虫除け)のためNG
虫除けスプレーでランキング上位でしたが目的違いでした。
次からは検討の余地あり商品です。
・アース ゴキブリ用殺虫スプレー ゴキプッシュプロ 無香料 100ml https://amzn.to/3SP77e9
【成分】イミプロトリン(ピレスロイド系)0.5145w/v%(プラルとして1.029w/v%)、フェノトリン(ピレスロイド系)0.514w/v%(原液量23.3mL)、その他の成分
→イミプロトリン(速効性)、フェノトリン(残効性、速効性)でフェノトリンは使用されているが攻撃性に注力している商品のためNG。また商品パッケージのデザインも不快なレベルで、そもそも虫を見たくない人たちの気持ちに配慮してない商品に感じました。
これは人好き好きではありますけれど、アース社の方針は合わなさそうです。
【成分】ペルメトリン(ピレスロイド系)3.9g/本
【成分】フェノトリン(ピレスロイド)0.7w/v%その他の成分
最終的な判断は個人の価値観で分かれますが、効果が弱めというだけで、ピレスロイドを使ってることから、忌避効果・虫除け効果は期待できると考え、「ダニがいなくなるスプレー」を使い続ける決断をしました。
今まで使ってきた使用感でも、ドア周りや網戸、換気扇などに吹き付けておくだけで効果は感じられます。
また天然成分での虫除けという意味では、ハッカ油もオススメです。
こちらもゴキブリや猫にも効果的で、人間にも付け過ぎるとヒリヒリしたりします。
もともとは違う用途で使ってましたが、意外と便利アイテムでした。
8/14 追記
・ピレパラアース 防虫力 ダニよけスプレー 300mL https://amzn.to/3T1Wntl
【成分】植物由来成分(ダニよけ成分)/孟宗竹抽出物(除菌成分)/緑茶エキス(消臭成分)