花粉シーズンはすでにピークを過ぎてますが、花粉関連のプレスリリースや記事が興味深かったため、花粉症対策とともに紹介します。
花粉対策は、「花粉症歴=年齢-12年」の人間が送る、シンプルながらも効果的で、来年以降にも役立つ内容です。
まずは花粉症関連の雑談から始めます。
すぐに「花粉対策」や「まとめ」を見る場合はテキストリンクをクリックしてください。
■花粉あれこれ
※MyVoice【花粉症に関するアンケート調査】より(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000848.000007815.html)
- 花粉症経験者は45.6%
- 対策時期は「2月」「3月」が各6割強
- 症状は「鼻水が出る」「目がかゆくなる」(7~8割)、「くしゃみが出る」「鼻がつまる」(5~6割)、その他「鼻をかみすぎて鼻の下が痛い」「のどがかゆい、イガイガする」「顔や目・鼻・口の周りの肌が荒れる」は女性で比率が高い
- 対策方法は「マスク」(56.2%)、「医師の処方薬、注射」「市販の目薬」「市販の飲み薬」(3~4割)。重度の花粉症の人で「マスク」(7割弱)、「医師の処方薬、注射」(6割)
MyVoiceさんのアンケート。花粉症の経験者が約46%と市民権を得ているので、花粉症歴が長い人間からするとホッとします。かつて、花粉症が世間に認知されてなかった頃は、「マスク=不謹慎」で、肩身の狭い思いをしました。
昨今では、新型コロナの影響で、マスクをしていると「コロナか?」とか「買い占めか?」と誤解されるリスクがあり、肩身の狭さは相変わらずですが、それでも同志が増えたのは心強いです。
対策は、マスク→薬→空気清浄機→のど飴→めがね→うがい→目の洗浄の順番で、「うがい」の大切さが低い気がします。
※参天製薬 花粉シーズンのストレスを大調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000010872.html)
参天製薬さんは、MyVoiceさんのアンケートで一番回答数が少なかった「目の洗浄」についての調査。マーケットを拡大できるか興味深いです。
「目」に関しては、「メガネをする」か「触らずに我慢」を徹底していますが、今後、花粉症対策としての目薬は拡がっていくでしょうか。
※パナソニック 花粉に悩む300名にアンケートより(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000350.000024101.html)
パナソニックさんは、自宅での花粉対策に「空気清浄機」をプッシュ。一家に一台までは普及してなさそうで、伸びる余地はありそうです。約86%の人は、自宅で花粉の存在を感じているのに、実際に花粉対策を行っている人は僅か17.3%。
正確には、花粉対策している人のうち、自宅対策をしている人は約20.6%。
※花粉対策をしている人 300(母数)×0.84(対策をおこなってない人以外)=252
自宅で対策している人 300(母数)×0.173(自宅対策)=約52
自宅対策者割合 52(自宅対策者)/252(花粉対策者)=約20.6%
空気清浄機に関しては、MyVoice(16.3%)、参天製薬(21%)と、花粉症対策用途での空気清浄機の普及率は2割程度でしょうか。空気清浄機はもっと売れてそうですが、花粉で苦しんでいて空気清浄機に期待している人だと、こんなものなのか。
我が家では。粗大ごみにしてしまいましたが、たしかに空気清浄機があると安心です。
花粉症薬、何を飲んでる?「アレルギー性鼻炎薬」処方患者数ランキング | 有料記事限定公開 | ダイヤモンド・オンライン
ダイヤモンド・オンラインの記事では、花粉症薬について。アレグラ・アレロック・アレジオンの花粉症薬・御三家は、すべて服用したことありますが、「ザイザル」なる未体験の薬がメキメキと頭角を現してきています。
EPARKさんの解説によると、ザイザルは「1日1回の服用」で「(保険適用で)薬価が29円」。他の薬の「1日2回服用」で「薬価は30-40円」に比べ、優位性があります。
※花粉症に処方されるアレロックとは?アレグラ・ザイザルとの効果・副作用比較(https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/ttkmp)
ここ10年ほど薬物療法を止めている身としては、服用回数が減っているのは良いことですが、「薬漬け医療」が頭をよぎります。
薬を服用しなければ、花粉症は重症化しないのでは?
また、
先に、薬以外のやり方で、症状を軽減させるか試しては?
試した結果、症状が変わらなければ薬の検討もアリですが、まずはノードラッグを模索してみよう派です。
従業員の状態による一年間に失われた平均総生産性(P.9)及び国内アレルギー性鼻炎患者の労働生産性の低下による経済的損失(P.10)|千葉大学大学院医学研究院
生産性を低下させる疾患ランキング
1.アレルギー性鼻炎 $593
2.高度のストレス $518
3.片頭痛 $277
4.うつ $273
5.リウマチ、関節炎 $269
※1年間に失われた生産性(1人あたりの賃金換算)
2.高度のストレス $518
3.片頭痛 $277
4.うつ $273
5.リウマチ、関節炎 $269
※1年間に失われた生産性(1人あたりの賃金換算)
国内調査における経済損失
労働時間の損失:12.74日/年
アレルギー性鼻炎者の一人あたりの労働損失額:191,783円/年
千葉大学大学院さんによる経済損失の話。
避けるべき疾患なのは明らかです。記載はないですが、他の疾患との相関も高そうですね。「ストレス」や「花粉」による炎症が、「うつ」などの他の疾患を引き起こし、負の連鎖になってる可能性も考えられます。年間約13日(約19万円)の損失は大きな負担です。
■花粉基本情報とレベルの分類
※「花粉症の正しい知識と治療・セルフケア」P.4より(https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun/dl/ippan-qa_a.pdf)まずは基本情報の確認。
MyVoiceさんのアンケートの通りで、「2月・3月」は花粉対策の開始時期です。ちなみに、2020年に初めて花粉を感じたのは2月1日でした。
新型コロナウィルス騒ぎだけでなく、冬は寒くて乾燥しているため、ウィルスが流行りやすい季節です。毎年、1~2月初めにはマスクを確保し、備えられると無難です。
一人で使う分には、昨年度分が余っていることもあり、ピーク前の1月初めか、花粉症が終わりの4月頃に買うこともあります。価格目安は、1枚あたり5.4~8円です。
また、お医者さんにでアレルギーテスト(特異的IgE「MAST33アレルゲン」)を受けることもオススメします。自分のアレルゲン(アレルギー原因物質)が、「スギ」か「ヒノキ」かを知っておくことは大切だし、それ以外のアレルゲンの有無を知ることで、アレルギーの連鎖反応を抑えられます。
※「スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き」P.8より(https://www.jsaweb.jp/uploads/files/sugi_tebiki16_honmon.pdf)
過去、実際に検査したら、陽性クラス(0~6)と7段階あるうち、「スギ(6)」、「ヒノキ(2)」、「牛肉(2)」、「オボムコイド(2)」、「卵白(2)」と、食べ物のアレルギーが判明しました。
※陽性クラス2以上がアレルギー陽性の判定です
※オボムコイド=加熱後も残る卵白のアレルギー
仮に、このことを知らずに「牛丼+生卵トッピング」を食べていたら、花粉症はより酷くなる可能性があります。
また、陽性クラス「1」などのアレルゲン予備軍や「2」の軽度なアレルゲンを知ることで、それらの過剰な摂取を避け、発症時期を遅らせたり、予防をすることにつながります。
自分自身の花粉症の重症度や病型を把握しておくことも重要で、下図の分類より客観的に症状を把握することができます。
※「花粉症の正しい知識と治療・セルフケア」P.4より(https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun/dl/ippan-qa_a.pdf)
以前であれば、控えめに申告しても重症で、たぶん最重症クラスでした。マスクをしても鼻水や目のかゆみが止まらず、鼻腔(鼻の中)が腫れて塞がり、口呼吸をしないと息ができない状態です。(鼻閉4、くしゃみ発作または鼻漏3~4)
それが現在では、マスクをすれば軽症に収まり、睡眠や仕事への悪影響も抑えられています。もちろん、花粉症の飛散直後は、くしゃみ発作が頻発しますが鼻閉に悩まされることはなくなりました。
■花粉対策
推奨する花粉症対策は下記5つです。- 「鼻」はマスクとワセリンで侵入を防ぐ
- 「目」は触らず我慢
- 鼻うがいで鼻腔、口腔をスッキリ
- ノードラッグで重症化を回避
- 健康的な生活(免疫力を高め)&アレルゲンを抑える
・「鼻」はマスクとワセリンで侵入を防ぐ
基本的な作戦は「水際作戦」です。
とにかく、花粉に触れないようにすることが第一です。
マスクのワイヤーを使って鼻のスキマを埋め、花粉の侵入を防ぎます。ちなみに、花粉は水を吸収すると破裂します。
※空を舞う スギ花粉の秘密(ミクロワールド 空を舞う スギ花粉の秘密)
※今、ツラいあなたに!保存版 新発想の花粉症対策SP(NHK ガッテン!)
そのため、粘膜などの水分に触れさせないことが大切です。
鼻の周りにワセリンを塗り、花粉が鼻粘膜に付着する前に吸着する方法も有効です。大切なのは「水際作戦」。花粉に触れる前に、食い止めることです。
ワセリンがない場合は、リップクリームなどでも代用可能です。
荒れた肌を保湿してくれるようなものであれば、わりと何でも大丈夫です。
注意点は、お風呂前に鼻の周りをよく拭うことです。
ワセリンで花粉の鼻への侵入を防いでも、鼻付近に付着したままシャワーを浴びてしまうと、水に触れた花粉が破裂し、悶えることになります。お風呂直前、1日の疲れでもあり、もっとも気が緩みやすいタイミングですが、最後に油断しないようにしましょう。
・「目」は触らず我慢
目はそのまま、「とにかく触らず我慢」です。鼻と同様、水に触れると花粉が目の周辺で破裂して、症状が悪化するため、顔には触れません。水で顔を洗ったり、ウェットシートで顔を拭くこともしません。
メガネをしていたこともありますが、メガネが曇ったり長時間つけていると耳が痛くなることと、我慢できてしまったのが理由です。
メガネをしてると、グラスに花粉が付いて「おおっ」と効果を実感できますが、ワセリンや保湿クリームを塗って、目に入る前に顔面で花粉をキャッチして侵入を防いでいます。
・鼻うがいで鼻腔、口腔をスッキリ
再三、「水際作戦」を強調していますが、マスクだけでは守りきれない花粉に対抗する最後の秘策が「鼻うがい(サーレS)」です。水際で食い止めるはずの「水際作戦」で突破されたとしても、鼻うがいがあるから安心していられます。
花粉症の人なら、喉のイガイガや鼻のムズムズで、喉や鼻を取り外して洗ってしまいたいと感じる人もいるのではないでしょうか?
そう感じたらすかさず鼻うがいです。
その日の昼間は我慢してやり過ごし、夜、家に帰ったらすかさず鼻うがいでスッキリします。終わりがわかっていることと、花粉が蓄積しないため、なんとか我慢できます。
花粉の飛び始めには鼻うがい!
と某企業の風邪のひき始めのキャッチコピーみたいですが、鼻うがいの選択肢を持つことで、花粉症対策を圧倒的有利に進められます。
1シーズンに1,2度しか使っていないため、2014年に買ったものをいまだに使っていますが、内容成分は「塩化ナトリウム・メントール・ペパーミント」だけなので安心です。
水に溶かしたら、鼻から入れて口から出します。
気をつけたいのは、鼻から入れる際に勢い良く吸ってしまうと、耳の中に水が入り中耳炎になる可能性があります。
慣れないうちは、口から出そうとせず、鼻の中を軽くメンソールで洗浄するぐらいの感覚で十分効果があります。
具体的な注意点は、
- 顔は正面(上を向かない、鼻の位置が耳より上にしない)
- 吸い込むときはゆっくり、少しづつ
- 基本、液体は垂れ流す(見た目にはばっちいけど)
- 鼻をすするのはNG(とっても、すすりたくなるけど)
- 最初から、口から出そうとしない(初めから出来る人はそういない)
鼻うがいをすることで、鼻水や水を飲んでも洗浄できない鼻腔や喉の奥深い部分を洗い流せるせいか、花粉症の症状がグッと和らぎます。また、塩で引きしめられているのか、喉の荒れも収まります。薬ではないので副作用などの心配もありません。
注意すべきは、鼻うがいのやり方だけです!
洗浄器は使わないでも鼻洗浄・鼻うがいは可能で、家にあるプラスチックコップに水とサーレSを入れて混ぜ、鼻うがいをするだけです。
鼻うがいの頻度は人それぞれですが、頻繁にやる必要はありませんでした。
MyVoiceのアンケートでは、「うがい液・のどスプレー(8.6%)」とほとんど認知されていなかったので、ぜひ広まって欲しいです。薬ではないため、長く使い続けても身体への悪影響は考えづらいのも利点です。
・ノードラッグで重症化を回避
花粉症を語る上で「薬物療法をするかしないか」は、かなり大事な話題です。個人の経験のため説得力に欠けますが、薬を飲んだ結果、花粉症が重症化したために、服用を止めました。
原因としては、薬を服用することで、「花粉の身体への侵入に無頓着になり、花粉を大量に吸い込んでしまった可能性」と、「マスクの着用しない時間が増えたせいで、たくさんの花粉を吸い込んだ可能性」があります。
どちらにせよ、薬を使って症状を止めていると、段々と薬への慣れが出てくるため、薬の効き目が悪くなり、薬の効果が弱まった際の反動として重症化しました。
ここがとても重大で、普段から薬の力で許容量を水増ししていると、本来の許容量を超えて花粉を吸引してしまうため、「薬への慣れ」や「効果が切れた」ときの反動は、身体の限界を超えた状態になります。
結果、鏡越しに鼻穴をのぞいても鼻腔は塞がり、喘息のようなくしゃみの連続で、肋骨を痛めるほどに重症化しました。鼻水のかみ過ぎで肌もカブれ、とても痛かったです。
通常の副作用だけでも、意識がボーッっとし、身体が火照るので、健康に良いとは言えない状態で、そこに服用による反動が加わると、薬物療法(抗ヒスタミン剤)を続けることに疑問を持ち始めました。
もし、薬を飲んでもマスクをする必要があるなら、
薬を飲まずに、マスクだけで症状を抑えらないか?
と考えました。
結果、この考え方がうまくいったのです。
また仕事内容が「マスクOK」な環境も大きかったです。
・健康的な生活(免疫力を高め)&アレルゲンを抑える
花粉だけではないですが、すべての基本は健康です。
「睡眠」、「栄養」、「運動」で免疫力を高め、アレルギー症状の発生を抑えることが一番です。
「花粉症は、免疫システムの『過剰防衛』」だから、回虫を飼って防衛システムの意識を回虫に向けさせれば、症状は抑えられるはず。この考え方にも一理あります。
※花粉症対策にはお腹の中に寄生虫を飼うとよい?(ほぼ日刊イトイ新聞)
※回虫を飼えば、花粉症にならない!? 驚きのアレルギー対策術(ダ・ヴィンチ)
たしかに、風邪を引いているときは花粉症の症状が和らぎますが、寝不足で免疫力が落ちているとき、花粉症は和らぐことはなく、普段よりも症状はキツくなります。
これは、どういったことでしょうか?
毒を食べて身体の中に抗体を作ることと、健康を害して症状を和らげることは別です。健康的な生活を送り、余裕があれば回虫にも手を出してみるぐらいで、丁度よいのではないでしょうか。ただ単に健康を損なってしまわないよう気をつけたいです。
もっとも気をつけるべきは、自分のアレルゲン(アレルギー原因物質)を摂取しないことです。アレルゲンは人それぞれですが、お酒、タバコ、卵、牛肉や、パン、ご飯、蕎麦でも発症することもあります。
特に花粉の時期は、アレルゲンを遠ざける必要がありますし、普段でも体調が良くないときは、アレルゲンを避けるようにした方が身体に優しいです。
アレルゲンの特定は、アレルギーテストで判明しますが、テストの項目に含まれていない物でもアレルギーの原因になるものはたくさんあります。
そのため、自分の生活の中で、不調になった際の前後の行動を振り返り、アレルゲンに目星を付けておくことで、人生を快適に過ごせる確率が高まります。
■まとめ
最後に、おすすめ商品リンクと要点5つのまとめです。1.花粉症対策は、水際作戦で花粉の侵入を防ぐことを目的とします。
マスクを付けて鼻からの侵入を防ぎ、目・鼻の周りはワセリンを塗り、花粉を吸着させます。(ワセリンはリップクリームにもなり、乾燥する季節には大活躍です)
2.目は触らずひたすら我慢。3.花粉がマスクやワセリンを突破した場合は、鼻うがいで鼻腔を洗浄します。鼻うがいはくれぐれも慎重に行ってください。
4.アレルギー鼻炎薬は、花粉症が重症化した経験から使いません。
マスクとワセリン、鼻うがい(サーレS)を推奨します。
5.最後は、健康的な生活を心がけることと、アレルギーテストにより自分のアレルゲン(アレルギー原因物質)を知ること。それによりアレルギーの連鎖反応を防ぎ、花粉症の症状を出にくくします。
受験シーズンだと、花粉症で集中力が途切れ、悩まされている人も多いかと思いますが、薬を使わないでも対策できるってことを知ってほしいです。
- 「鼻」はマスクとワセリンで侵入を防ぐ
- 「目」は触らず我慢
- 鼻うがいで鼻腔、口腔をスッキリ
- ノードラッグで重症化を回避
- 健康的な生活(免疫力を高め)&アレルゲンを抑える
Tweet