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2021-09-10

「洗たくマグちゃん」、あれから4か月、、、宮本製作所の企業姿勢を問う。

 

 

洗たくマグちゃん」 を販売する宮本製作所に動きがありました。

 

当ブログでの過去記事は下記の通りです。



ポイントはざっくり以下の通りです。
  • 広告が過剰表現で、根拠は不十分だった!
  • アルカリ性の水だったら、洗浄力はどうなのか?(再試験はするの?しないの?)
  • 消費者の洗浄力に対する満足度や、(過剰表現による)ミスマッチは?

広告については、この一件で反省したとのことで、他2点についてリリース内容を見ていきます。

 

トピックス

  • 洗濯テストの結果
  • マグちゃんひろば 
  • 環境団体によるモニターアンケート調査
  • まとめ

 

 

・洗濯テストの結果

洗浄力と公平な第三者機関による調査はされるのか?この1点を企業姿勢としてずっと気にしていました。
結論から言うと、「再試験はしたけど、また社内調査かい!」 です。

現在も鋭意試験中につき、全ての試験内容をお伝えすることが出来かねておりますが、弊社で実施する洗たくマグちゃんの試験内容の一部について、お知らせいたします。
ただし、現在も調査中とのことで、早急に判断せず見守りたいです。
 
当試験の結果に、不正や偽りはございませんが、試験条件の見直しや、試験実施回数が不足していることは事実であり、弊社は、その事実を真摯に受け止め、データの再取得に向けて、より一層注力しております。
また、データの再取得についても実施する意思はあるようです。

消費者庁より合理的と承認されるデータの取得に向けて、今後とも大学や専門の外部機関と連携し、洗浄・消臭・除菌に関する製品テスト、研究開発に力を入れてまいります。
データ取得自体は検査すれば簡単にできそうですが、試験条件の設定が困難なのでしょうか? 研究開発するにせよ、現状のデータは必要です。
 
また、外部検査機関の試験と並行して、弊社の研究所でも洗たくマグちゃんの洗濯効果に関する試験を重ねております。
だから、社内調査はええっちゅうねん!
第三者機関によるデータを出してって話です。
 

「洗たくマグちゃん」は理系の人も居ると思われますが、アレなんですかね。
このままだと、「納得いく結果が得られなかったから濁している」と邪推されてもおかしくない残念な対応です。
 
洗濯テストの試験内容が写真とともに掲載されていますが数値は全くなく、また洗浄力テストと勘違いしていましたが洗濯テストでした。(リリースタイトルは洗浄テストでしたが)
 
社内にある13台の実験用洗濯機の洗濯テストとのことで、もしかしたら実験用洗濯機のテスト(洗濯機メーカー?)かと思いました。
 
宮本製作所には、誠実な対応を期待します。(数値的根拠を!)
 
 

・マグちゃんひろば 

おそらくは、消費者とのミスマッチを防ぐ目的で、8月10日に「マグちゃんひろば」がオープンしています。
現在は、「お気に入りポイント(利用アイデア)」、「出会ったきっかけ」のテーマで投稿を呼びかけています。
ECサイトのレビューのようなファンサイトのような感じで、これはこれでミスマッチを防ぐ目的ならOKですが、そもそもファンコミュニティのため、ネガティブレビューは存在しないでしょう。
SNS上(Twitter、Facebook、Instagram)でのハッシュタグは、「#マグちゃんひろば」、「#マグちゃんのある暮らし」です。


・環境団体によるモニターアンケート調査

環境団体「NPO法人食品と暮らしの安全基金」による「マグちゃんの『汚れ落ち』について、モニターアンケート調査」です。
以前の記事でも指摘したように、件のNPO環境団体はマグちゃんに好意的な団体です。
しかも、モニターアンケート調査とのことで、ただの満足度調査です。
 
一番大事なことは、満足度調査個人がどう思うかの結果)は科学的に何の根拠にもなりません
 
また、この団体は
「風邪の効き始めに効く」と書かれた市販の漢方薬で治せば、コロナ患者が増えないので、社会問題は解消する、という報道をしてきました。
 
とサイトに堂々と記載があります。
正しいことをして世の中に貢献したい気持ちに対し、実際の知識や行動が追いついていない印象です。DHCの「独自調査ランキングNo.1」商法と変わらない危うさがあります。


・まとめ

宮本製作所が再試験を行う意思はあるようで安心しました。
また、「アルカリ水に一定の洗浄効果は期待できる」問題についても、水で洗う以上の効果は期待できると考えます。
 
その辺は大きく変わりませんが、企業姿勢として宮本製作所の浅はかさや隠蔽体質、不誠実さと捉えられる箇所が散見されます。
 
何が恐ろしいかって、おそらく当人たちは何の悪気もなくやっていて、本当に良いことをしていると思いながら、経済活動のルールを逸脱したと思われる所です。

政治家たちの不適切発言同様、時代の流れについていけない高齢企業(地方企業)の隠蔽体質が、今後も様々な場面で問題を引き起こしかねないと感じています。
 
「数値的根拠を!」
 
 宮本製作所は、この1点を胸に刻み情報公開に努めてほしいです。
 

2021-06-04

「洗たくマグちゃん」批判記事に対する見解と、宮本製作所のいまに知る。

 


「実質的にはただの水洗い」洗たくマグちゃんは無意味だと言える"科学的な理由"-左巻 健男東京大学非常勤講師(https://president.jp/articles/-/46443)

 

上記、プレジデントの記事について、宮本製作所になにか進展があったのかと読んでみました。(ことの発端は→「洗たくマグちゃん」が落とせない汚れは何だったのか?

結果、「洗たくマグちゃん」否定派の意見を知れて良かっただけでなく、記事の中で根拠として出されていたソースが、とても参考になりましたので紹介します。


ただし、記事中にはソースに書かれてる内容の、都合のいい部分だけを切り取られていて、終いには「『アルカリで洗う』はウソだった」とまで書かれていたので、リンクを貼るのは控えさせていただきます。

 

記事のトピックはざっくり、下記の通りでした。

  • 「洗たくマグちゃん」の経緯    ←事の経緯を知らない人向けに必要!
  • 洗濯ボール・洗濯リングなどの紹介 ←マグちゃんと関係ない
  • 重曹を使って洗濯の紹介      ←これも関係ない
  • マグネシウムでの洗浄効果は水洗いと変わらない  ←ここのソースが個人サイト
  • 主観的な感想は効果の根拠にならない  ←言ってることは正しい。が、個人サイトをソースとして出してるのはなぜ?
  • 効果検証には厳密な実験を     ←こちらも同意見。しかし、個人サイトをソースとして紹介しているのはなぜ?
  • 「科学的な用語」に騙されるな   ←自著の宣伝はあって良い
  • 既存の石けんや洗剤も環境に配慮されている ←メーカー、ヨイショ?


言っていることは正しい部分もあり、メーカー側がどう対応するか、適切な検査結果を提出できるか(するのか)含め、注目ポイントです。

ただ、「主観的な感想は根拠にならない」や「不適切だった効果検証」を指摘する割には、自身が根拠とするソースが個人サイトの時点で支離滅裂であります。

また関係ない洗濯リングなどを過去の事例として引っ張るのは良いとしても、それら同様に「洗たくマグちゃん」を語り、貶めているのは作為的な印象操作かと。

 

・・・・・

 

次に、記事内で紹介されていたサイトについてです。

アルカリ助剤を使った洗濯は効果あるの?
http://sekken-life.com/life/soap_seski.htm

 

ざっくりと紹介すると、以下の通り。

  • 水で落ちる汚れは、アルカリ剤を使わなくても落ちる(使う必要がない)
  • 油、泥などのひどい汚れは、アルカリ剤では落ちない
  • 皮脂汚れや汗の臭いには、アルカリ剤を使った方が、水よりも効果的 
  • 風合い(肌触り)が悪くなる


サイト内では丁寧に、表組みで洗浄効果の検証結果が表示されています。※ただし、個人の実験結果です。

また、アルカリ剤は、限定された洗濯物に対しては、水で洗うだけよりも効果があると書かれています。

筆者の主張は、まとめて石けんで洗った方が合理的としながらも、アルカリ洗濯も限定的ではあるが効果を認めています。

ただし、過剰洗濯(水や電気の無駄遣い)や過剰な石けん投入を助長するのでは?と否定的な立場です。(洗濯回数などが増えていたら本末転倒)

 

以上の筆者の考えは、環境に良いとしながらも、実は環境負荷をたかくしていないか?と警鐘を鳴らしているだけで、すべての洗濯物をアルカリ洗濯し、本人がそれで満足できるならエコに貢献できています。(それは筆者も認めています)

最終的には消費者が、洗浄力をどう評価するかの問題です。

プレジデントの記事内では、もちろんその点については触れられていません。

 

・・・・・


続いて、重曹の場合ですが、適切な試験結果の例として以下の記事を挙げています。

北海道消費者センターのテスト結果を報告(重曹の場合)

洗浄力
洗剤:40-80%
重曹:30-50%
水:20%

詳細はリンク先に任せますが、洗浄力の品目別の平均値が記載されています。

重曹は濃度を2%まで上げると高い効果を発揮できるようです。

また、一般の洗剤にも洗浄力に差があるようで、重曹もうまく使えば洗浄力の弱い洗剤ぐらいの効果はあります。そうなると、消費者の洗浄力の満足度合いの問題になります。

 

・・・・・

 

プレジデントの記事は、この点にも触れられておらず、記事中で「ウソだった」は、言い過ぎではないかと。また、「洗たくマグちゃん」利用者も洗浄力が市販の洗濯洗剤より劣ることは承知の上だったはず。

いつの間にか広告表現がキツくなり、強い表現が使われるようになっていますが、本来は下記のような「併せて使ってください」、「気にならない人はこれ1本で」のスタイルでした。

 

 

「水+マグちゃん」と「液体合成洗剤」では差が少ないように思えますが、先ほどの北海道の試験場の結果を見ると、重曹2%の洗浄力が「50」で、中世液体合成洗剤が「58」ぐらいだったので、 あながち間違いとも言えません。

液体合成洗剤とマグちゃんの洗浄力が近いことも十分あり得るのです。


・・・・・


宮本製作所は、「弊社製品への想い」のタイトルで5月6日にニュース記事を出していました。

 記事の中では、

 消費者庁からの指摘は、製品の訴求表示を裏付ける合理的な根拠を示す資料が不十分であったものであり、マグちゃんという製品の販売や効果を否定されたものではないと考えております。

としながらも、

今後、皆さまにマグちゃんをより安心して使っていただくために、製品の表示管理体制にはなお一層万全を期して参ります。
と締めくくっていて、「再試験しないんかい!」と思わずツッコミを入れたくなりました。
 
もしかしたら、表示管理体制の中に再試験も含まれているのかも知れませんが、コメント内では言及されていませんでした。

アルカリ性の水だったら、洗浄力はどうなのか?

北海道の試験場で実施されたような試験結果の報告が待たれます。 


今回、貴重なソースに触れる機会を与えてくれたプレジデント記事には感謝すると同時に、執筆した東大非常勤講師のような偏った考え方に陥らないよう反面講師にしていきたいです。


2021-05-03

「洗たくマグちゃん」が落とせない汚れは何だったのか?


 

4月27日、「洗たくマグちゃん」の消費者庁の措置命令を知ったのは下記ツイートでした。

 

マグネシウムのを実際に洗濯に使っていたので、ショックでしたが同時に違和感もありました。まず先に、現時点(5月3日)で公表されている情報を列記します。

株式会社宮本製作所に対する景品表示法に基づく措置命令について(消費者庁)

「洗たくマグちゃん」の消費者庁の措置命令についてお詫びとお知らせ (宮本製作所)

「洗たくマグちゃん」の新パッケージにつきまして(宮本製作所)

 

パッケージは以下のように変更されました。

<変更前>

 

<変更後>

新パッケージ

消費者庁のリリースには、以下の記載があります。

 「ご家庭の水道水がアルカリイオンの水素水に変身!洗剤を使わなくても大丈夫なお洗濯」、「部屋干しのイヤな臭いをスッキリ解消!」、「菌の抑制」及び「除菌試験により99%以上の抑制効果が確認されています。」等と表示するなど~(中略)~一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものであること。(P.39 「株式会社宮本製作所に対する景品表示法に基づく措置命令について[PDF:3.8 MB]

ここまでが事実確認になります。

で、ここからが本題です。先ほどのツイートの違和感は、

科学的な根拠がないと聞いていた商品。

の部分です。

誰に聞いていたのか、どうして発信しなかったのか、ニュースになってから後乗りしたのか、不思議でした。もちろん、「根拠がないことに根拠がない(証明できない)」から言わなかったのでしょう。しかし、宮本製作所を引きずり下ろすような発言をするのはなぜか?

「後出しジャンケン」や「環境推進者による内ゲバ」を見せられ、違和感や後味の悪さが残りました。

そこで、「景表法的にNGでも、実際に効果がない、科学的根拠なしとはならないのでは?※洗浄力は弱いので、表現が適切ではない」と反応しました。

この反応が適切だったかは微妙です。

宮本製作所も、あまりに商品が売れるものだからついつい表現を強めにしてしまったことや、外部試験場に検査に出すお金や手間を省いたために、今回のことに繋がったと予想されます。

景表法違反を擁護するつもりはありませんが、少なくとも、

  • 環境への低負荷
  • お肌に優しく洗剤の臭いは無臭に近い
  • 弱アルカリ性で酸性(皮脂)を洗浄する

の3点は効果があり、「洗剤いらず」や「99%抑制」の表現は根拠不十分で不適切でした。

つまり、景表法違反と環境貢献の部分は線引して発信してほしかったです。

言い換えるなら、宮本製作所=悪と断罪せず、経過を注視してほしかったですし、「前々から根拠なく不当な商売を行っていた」のような印象を与える表現は避けてほしかったです。

他の方の反応をみても、「洗たくマグちゃん」をきっかけに目覚めてる人もいます。

景表法違反(優良誤認)のため、根拠もなく誇大表示をしてしまったことは反省すべき点で、再発防止も当然必要なことです。

ただ、宮本製作所が「洗たくマグちゃん」に込めた「大量に洗剤を使わなくても汚れは落ちる」のメッセージは、環境負荷軽減への提言として的を得ており、多くの人の意識を変えました。

弱アルカリ性の水による洗浄力を知った人たちは、洗剤を使わなくても(または微量でも)十分に満足できる人ことを理解し、今後も自分の判断で使い続けるはずです。

宮本製作所の「洗たくマグちゃん」をきっかけに生まれた素晴らしいエコムーブメントにも目を向けてほしいのです。

是々非々で議論するに辺り、人間の感情は時として邪魔をします。

今回、表現が行き過ぎてビジネスライク(売上重視)になってしまった点と、「洗たくマグちゃん」が示した可能性については、分ける必要があります。

良い点と悪い点を踏まえ発言するには、ツイッターは140字と文字数は足りず、十分な時間や判断を伴わずに投稿できるため、残念な意識のすれ違いが起こります。

「冷静に」や「遅いインターネット」や「ソースが大事」といったところで、人間の感情的にすれ違いは起こってしまうネットの汚れのようなものです。

できることがあるとすれば、根気よく事実確認をして性急に答えを求めない姿勢を取り続けることでしょうか。 

事態が良い方向に向かうことを願います。

ただ、「環境団体が消費者庁に訂正を要求」に対して、宮本製作所が変な反応の仕方をしていたので、そんな事はいいから、早々に試験場から検査結果を受け取り、開示してほしいところです。 (環境市民団体の「食品と暮らしの安全基金」は宮本製作所に対して好意的な団体です)

いま、些末なことでグズグズ対応していると、本当にインチキ事業者の烙印を押されかねません。地球にとっても、消費者にとっても残念なことです。

今後、適切な対応がなされるかどうか、見届けたいです。

・・・・・

また、「洗たくマグちゃん」問題に触れる際は、メーカーと代理店の関係(広告費を大量投下してもらっている側の忖度)も重要です。

広告予算が僅かな宮本製作所が、連日、雑誌やTV、ドラッグストアなどで認知獲得に成功していると、快く思わない巨大資本側からの圧力は当然、予想されます。

白竜」ではヘルシー過ぎて取り上げられない題材ですが、巨大資本による圧力などの陰謀論が生まれるぐらい、画期的な(洗浄力と環境負荷のバランスの取れた)商品です。

ちなみに現在、我が家の洗濯洗剤は下記を使用しています。 

マグネシウムを洗濯ネットに入れて使用しているのと、合成洗剤を併用しています。

カネヨ石鹸は合成洗剤ですが、なるべく環境にもお肌にも優しいものを選択しています。