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2022-04-30

コロナ禍で免許更新に行けなくて「失効手続き」する際の3つのポイント。


 

 

先日、免許更新をしてきたのでその記録です。

更新時期がコロナ禍の真っ只中で、外出を控えていたために更新できませんでした。

 

今からでも間に合うかなど、ポイントは以下の3つです。 


ポイント①:失効前であれば所定の警察署で更新可能だが、失効後は「試験場で失効手続き」が必要。

ポイント②:「理由なし」なら1年以内、「理由あり」なら3年以内、3年以降は「救済措置なし(最初から取り直し)」。

ポイント③:失効手続きは発券に40分ほど待たされる! 

 

では順に見ていきます。

まず警視庁の免許関連のサイトを見ると、免許更新失効後の選択肢は下記5つでした。

 運転免許証の有効期限が過ぎてしまった方へ(失効手続等)

  1. やむを得ない理由がなく、失効後6か月以内の手続
  2. やむを得ない理由がなく、失効後6か月を超えて1年以内の手続
  3. やむを得ない理由があり、失効後6か月以内の手続
  4. やむを得ない理由があり、失効後6か月を超えて3年以内の手続
  5. 平成13年6月19日以前にやむを得ない理由が発生し、失効後3年を超えた方の手続 



ポイント①:失効前であれば、所定の警察署で更新可能だが、失効してしまったら失効手続きが必要。

早く気づけば所定の警察署での対応で済みますが、期限を過ぎてしまうと都内であれば3つの試験場から手続きする必要があります。

しかも、「土日祝は休み」で、受付時間が「平日の午前8時30分から午後2時00分まで」なので平日の昼間に行く必要があります。(最終受付が午後2時です)

 

「1.」、「3.」であれば、免許証の再取得で5,300円ですが、「2.」、「4.」では仮免扱いで2,700円になります。どちらも学科試験と技能試験は免除されます。

仮免扱いだと、期間中6か月に事故を起こすと免許取り消しになるため、特に慎重に運転する必要があります。

また、「5.」はレアケースで、ほとんどの人が当てはまらないため割愛します。



ポイント②:「理由なし」なら1年以内、「理由あり」なら3年以内、3年以降は救済措置なし(最初から取り直し)。

免許の取り直しが許容されるのは、基本的には1年以内が限度となります。

コロナのような、かなり特殊な事情がある場合、3年以内の事情も認められるケースはありますが(私はこれでした)、通常は1年以内が目安となります。


「理由」についても、

”「仕事が忙しかった」、「更新のお知らせのはがきを見ていない」等の理由は、やむを得ない理由に該当しません。”

さらに、

”新型コロナウイルスへの感染や感染のおそれを理由として、運転免許証の有効期限が過ぎてしまった方は、手数料が減額になる場合や講習の区分が変更になる場合がありますので、窓口で申し出てください。”

とあるように、

正当な理由がない場合は却下されてしまいます。


無駄足にならないよう事前に警視庁に電話して「こういう理由の場合は、OKですか?」と確認しましたが、ひとまず試験場に行ってみてほしいと言われ、確約はもらえませんでした。

おそらく、「仕事が忙しくて、はがきを見落としていた」と伝えたら、「それはダメ!」と返事されてたでしょうけど個別の事情の場合は、直接確認しないとわからないようです。

 

 

ポイント③:失効手続きは発券に40分ほど待たされる!

基本的には、通常の免許更新と同様、違反がなければ優良講習のみで、講習後すぐに免許を手渡されますが、失効手続きの場合では通常ルートとは異なるようで40分ほど待たされました。


全体の時間としては、受付~事情説明~試験(30-40分)、優良講習(30分)、免許証発券(40分)の約2時間コースでした。

しかし、一時は本当に免許を実技学科から取り直さなければならないのかとヒヤヒヤしてましたので苦にならずに待てました。

途中でやっぱりダメと言われる可能性もあったので、受け取ったときの安心感はひとしおです。



以上、3つのポイントに注意しながら早めの更新を心がけたいですが、更新期限1年を過ぎてしまい「もう無理かも」と思った場合でも、コロナの特殊な事情で間に合うケースもありますので、一度現地に足を運んでみることをオススメいたします。


2022-02-28

ウクライナ侵攻で感じた苛立ちと冷静になるまで、SNSとの付き合い方を徒然なるままに。

情報氾濫

 
 
SNS の良い面、悪い面みたいな話です。
または、ポピュリズムへの憤りのような話であります。
反芻思考してしまうので、意識化して書き留めておきます。
 
 

■SNS での、ストレスフルの系譜

少し前では、2011年東日本大震災の地震がありました。
死ぬかもしれない恐怖やストレス、デマや火事場泥棒的な二次被害に対する憤りやストレスがありました。

その後、パッと思いつく限りでは、そこまでストレスフルな出来事はなかったです。

それからグッと最近になり、2019年頃から始まった「香港加油!」でおなじみの「香港国家安全維持法」施行における民主化デモ。
多くの争いの映像、暴徒と化した人々、荒廃する街の様子がシェアされました。

そして、いまも全世界で猛威を振るうコロナウィルスです。
明日、自分が死ぬかもしれない恐怖や、マスク着用に関する争いなど、憂さ晴らしをするかのようにSNSは荒れました。
 
コロナ後は、多くの社会常識が大きく変化して、コロナという大きな流れの中で、連続して様々なことが発生します。
始めは、東京五輪の開催時期が直前に控えてたことで、開催是非の意見表明から次第に分断や攻撃的な発言の応酬につながっていきます。
過去のいじめ事件を掘り返してのバッシングもありました。
コロナや五輪開催など、見解の違いがハッキリした時期です。
人との意見が異なることが、大きなストレスになることを強く実感し驚きました。
 
当時は、そこまでストレスが掛かってるとは気づきませんでしたが、いま思い返すと、かなりストレスだったはずです。
 
その後、米軍のアフガン撤退時におけるクーデターで、凄惨な映像が世界中を駆け巡り、現在のウクライナ侵攻に至ります。
 
 

■「多様性」への違和感

まず大きく感じるのは、「異なる他人の意見は当然で、受け入れよう」の机上の空論さです。
実際、他人と意見が異なると、人間は社会的動物であるがゆえに不安に駆られます。
だから相手を説得して自分と同じ意見になるよう仕向けたり、自分に都合良く振る舞わせるため、コントロールしようとします。
ところが、相手も同様に価値観があるため、譲れない場合は衝突します。
 
皆が皆、心に余裕があれば受け入れられる場合と、余裕があっても受け入れられない(譲れない)価値観はあります。
その場合、「距離を置く」のが一番の解決策になります。
受け入れるのではなく、距離を置く。
お互いにとって一番健全な解決策です。
心に余裕があれば、「相手と自分は異なる意見なんだな」と冷静に気付けるため、不毛な反応をしなくて済みます。
自分と同じ価値観を持つ人たちと集まったほうが、豊かな人生を送れることでしょう。
 
もちろん、壁は作らずボーダレスであることが望ましいです。
ただ、異なる価値観同士は歩み寄れないことも少なくないので、お互いが引き返せなくなる前に(冷静なうちに)、適度な距離を保つことが重要です。
「受け入れる」と表現すると、自分の価値観を曲げるようで拒否反応を示す人も出てくるでしょうから、「距離を置く」、「適度な距離を保つ」ことが大切になります。
コロナ禍の「ソーシャルディスタンス」は、もしかしたら「人間同士の適度な距離感の重要性」を教えてくれてたのかもしれません。
 

■SNSへの過剰反応

SNS は、何かあった際の情報源として、スピーディーで優良な情報の宝庫です。
自分は、それなりにリテラシーはあるだろうと自負してきたし、有識者や情報を見極められれば、有効なツールです。
当然、自分は使いこなしてるとつもりでいたので、変なことにはならないだろうと本人は考えます。
 
しかし、「自分の心」はオカシクなっていました。
 
もともと、騒がしいのが苦手で、のんびりマイペースを好む性格です。
ところが、緊急事態で気づかないうちに気分が高揚し、ハイ状態になります。
ハイになると、動物的本能から「反応的」な行動になりがちです。
 
動物は、危機(緊急事態)が迫ったら、余計なことは考えずに対処するほうが生存確率が高まるからです。
こうした動物時代の本能の名残のため、「脊髄反射」してしまうのでしょう。
SNS 上だから、ネットの向こう側の世界の出来事と頭では判っていても、動物的本能が追いついてない状況です。
結果的に脊髄反射して、冷静になってを繰り返すと躁うつを繰り返してるような起伏が出来上がり、精神的に不健康になっていきます。
 
テクノロジーの進化と、人間の進化速度には大きな差があり、テクノロジーの進化速度に人間は追いつけていません。
進化人類学は、ブルーライトで覚醒してしまったり、脂肪を取り過ぎる原因を解き明かしましたが、それらはひとえに、人間が原始時代のままだからです。
または、別の考え方もあります。
 
 

■「憂さ晴らし」をするへの苛立ち

ウクライナ侵攻時に、何もできない自分に苛立ちを感じ、「なにか行動しなきゃ」と感情的になり、発露した行動が「デモ」や「戦争反対!」などの意見表明ではないでしょうか。
 
デモやネット上での潔い意見表明は、有名人であるほど多くの共感を生みやすく、無名の人でも他人から「いいね」を貰いやすい方法です。
一方、現実的には意見表明したところで、事態が好転することはありません。
単に「憂さ晴らし」でしかなく、鬱積した感情の集まりに、多くの情報はかき消されてしまいます。
 
始めは、意見表明することのミスマッチが原因かと考えてましたが、そういう訳でもありませんでした。
情報がかき消されるのは有害ですが、新たな発見だったのは、意見表明する人たちは多数派で割と普通のこと。
別に悪気はない人たちだったと気づけたことです。(もちろん、意図的にやってる人もいるでしょうが)
自分とは相容れない考え方ですが、出来事を客観的に見れたお陰で、苛立ちの原因は別にあると気づけました。
 
むしろ、人々が身を寄せ合って行うデモ活動には、とてもパワーがあります。
人が集まるところにパワーが有り、パワーにお金も引き寄せられます。
有事でなければ大きなビジネスチャンスを生み出すパワーです。
良いことは、フラットな視点であらためて良いと考えられたのは収穫です。
ただ、有事の際は願わくば、営利目的で行われていないことを望みます。
 
では、苛立ちの原因とはいったい何だったのか? 
 

■「偽善者」への苛立ち

現実として、デモでターゲットにされる人のほうがパワーが大きいため、デモが効力を発揮しないであろうことは、容易に想像ができます。
Chang.orgの活動に参加/観察した結果、現実世界にほとんどまったく影響を与えていませんでした。
声を上げるだけでは、何も変わらないのが世の中です。
 
そうだとしても、当人たちがデモを行うなどで「憂さ晴らし」できれば、行き場を失った負のエネルギーが前向きなパワーに変わります。
だからこそ、行動自体に意味がある(生まれる)のだと理解しました。
 
当事者ではない人たちが行うデモ活動は、「相手の心に寄り添う手段」であり、当人たちが前に向きに、建設的になるための儀式であると納得しました。
 
ただ、何度もいうように、ロシア・ウクライナの衝突を好転させるには、ほとんど影響ありません。
デモ活動で惨事を知った人たちが、寄付をして多くの子どもたちを救うお金が集まるぐらいでしょうか。
注目度が高い案件となれば、多くの富裕層もこぞって寄付をするかもしれません。
ただ、もしデモで衝突事態をなんとかしようとするなら、ロシア国民たちがリスクを取ってデモ活動をする必要があります。
 
大事なのは、「リスクを取ってるか?」です。
「声を上げることは大切」と発言する人への苛立ちは、リスクに対する「無責任さ」やリスクを取らないことへの「軽薄さ」にあります。
 
自分たちは安全なところから口先だけで物を言い、承認欲求だけ満たしてスッキリする。
彼らの一連の行動に対する苛立ちです。
 
仮に、ロシアの人がデモを行えば効果はあり(リターンはあり)ますが、投獄されたり射殺される事(リスク)も起こり得ます。
リスクとリターンは表裏一体の関係です。
危害が及ばないところで、大声を出してストレス発散しても無意味、と指摘した理由です。
 
デモをするのは、ロシアやウクライナの"為"ではなく、自分たちの"為"です。
先ほども指摘したように、人々が集まるパワーはありますから、他人にも貢献しています。
しかし、ウクライナの"為"と、"偽"を語って大騒ぎするのは、"為"ではなく、"偽"。

まさに、"偽善者"ではないでしょうか。
 
悪いことには、注目を集めて自分のEC通販サイトに集客しようとしてる人もいました。
「やらない善よりやる偽善」などの言葉もありますが、偽善は偽善でしかありません。
逆に、"為"になってるなら、"偽"善ではなく善です。
単純なことですが、区別がついていない人は意外と多いです。
 
そして、区別がついてない人たちに対して、反応する自分が居ました。
反応しない練習』を読み、何度もメモを読み返したはずですが、反応してました。
もちろん、ウクライナ侵攻で上昇に転じた米国市況を、投資のチャンスと捉えていたりするので、他人から見たら変わりないのかもしれません。

大きく異なるのは、「相手の為」と「自分の為」を混同してないことぐらいです。
 
結局、苛立ちの原因は何だったのか。
自分が、同じように振る舞えないことへの嫉妬でしょうか。
または、彼らの高いコミュニケーション能力に脅威を感じてるからでしょうか。
注目を集めることが上手な人は、往々にして高い能力を持ってるのも事実です。
 
「見たくないものを見せられてる」という感覚は拭えないですが、彼らにも理屈があり、その価値観=美意識で行動してることは間違いありません。


■冷静になって

自分自身が苛立ってしまう原因は明確にはなりませんでしたが、文章化することで冷静になれます。
似たようなことがあったら、反応せず心を消耗せず、文章にしたいです。
 
ウクライナの惨状で心を痛める気持ちは皆同じです。
ただし、どういう行動をするかが違います。
事態を好転させる(と自分自身が考える)適切な行動をとったら、後はそれ以上でもそれ以下でもありません。
むやみに反応することへの無意味に気づけるかどうかです。
 
悲惨な出来事に対して、火事場泥棒のような行動を取る人々がSNS上に居たとしても、憤る必要はないのです。
 
自分は彼らとは一線を画す、と気概を持つことが必要かもしれません。

繰り返しになりますが、価値観=美意識は人それぞれです。
法に触れなければ何でもありの世の中で、正解もありません。
 
心が情報の波にのまれそうになったら、文章に起こして冷静さを取り戻すのが一番いい方法です。

2021-11-30

生まれ変わるなら江戸・明治、どちらの時代?

 
 
目次
■はじめに
■経緯
■江戸と明治が表すもの
■活用方法
■最後に


■はじめに

 定期的につぶやいてて、先日も似たような話題でつぶやいたので、記録としてまとめておきます。
特に大きな意味はないですが、始めに「江戸と明治のどちらに生きたいですか?」の質問に答えを出してから読むことをオススメします。(選択した理由もメモしておくと良いです)
 
 

■経緯

きっかけはだいぶ前ですが、2冊の本を別々の時間軸で読み、同じ事柄に対して真逆の解釈がされていたことでした。

 

 

 

その後、ツイートでもつぶやくこともありましたが、思い至ったのはだいぶ以前の話です。

 

 

  城繁幸氏の本の中では、江戸時代は身分制度でガンジガラメの時代。
それに対し、生まれに拠らない自由の時代として明治時代が描かれてます。
 
逆に、大井玄氏の方では、痴呆老人の「痴呆」を受け入れる余裕のあった安心の時代として江戸時代が描かれ、社会に余裕がなくなり「痴呆」が問題化=許容できなくなったのが明治以降というような描かれ方でした。
昔の記憶のため拡大解釈が入っているかも知れませんが、その点はお含みおきください。
 
この別々の時間軸で読んだ2冊の本が、ある時のふとしたひらめきで、「江戸と明治の解釈」という点で繋がり、人の立場によって見方や意見がまったく異なるんだなと新鮮な体験をしたことがきっかけです。

 

 

 ■江戸と明治が表すもの

 で、そのときに感じたのが、肉食系と草食系、好景気と不景気、明治と江戸の二項対立でした。
歴史に特に詳しくない人でも、江戸と明治をイメージするとだいたいこの辺の感覚は共有できてるんじゃないでしょうか。
それならば江戸時代と明治時代のどちらに生きたいかを訪ねれば、その人の価値観やオラオラ気質みたいなものを測れるんじゃないかと考えました。

同時に、「今の時代を生きる人たちが何を求めているか?」を知る質問でもありますし、現代は時代の大きな変わり目で江戸末期と酷似した状況と感じてます。
そんな中で、人々の行動や価値観はどう変化しているのかに興味がありました。
 
江戸から明治に変わるときは、身分制度からの開放という未来への希望があった訳ですが、現代においては多くの人(日本人)は、未来に悲観的な状況にみえます。
だからこそ、江戸か明治かで問われれば、「限定的だけれども安定した身分制度」を求めて江戸と答える人が多いんじゃないかと睨んでいます。
 
資本主義に疲れたとか、もっと楽しい事ばかりをして生きていたいとか、仕事以外の時間やゆとりある生活をしたい、というのが現代の感覚じゃないでしょうか。
 
 

■活用方法

会社とか人を見極める必要がある場面でこの質問はさりげなく本心を暴くものとして活用できると考えます。
その人やその会社の価値観なので、どちらが良いとか悪いとかではないですが、
江戸的な考え方は、「長いものに巻かれろ」、「大手企業」、「重厚長大」、「保守的」、「ブランド・歴史」等が挙げられます。
明治的な考え方は、「立身出世」、「中小企業」、「小回り・軽快さ」、「先進的」、「新奇性・目新しさ」等が挙げられます。 

例えば、人を採用する場合に、肉食で野心的な人を取りたければ明治を選んだ人が適切ですし、和を大切にする場合は江戸を選ぶ人が適切ではないでしょうか。
明治だけだと激動の時代で疲れてしまいますが、江戸だけでもゆるく長く貧乏を意味します。
当然、稼ぎやすいマインドは明治で実力主義の世界です。
 
 

■最後に

長年、明治なほうが良いと思い、今でもそれは変わりませんが、現代のテクノロジーがあれば、江戸な価値観でも上手くいく気がしています。
 
猪子さんのいう「グローバルハイクオリティ、ローカルロークオリティ」に通じるものかもしれませんが、江戸を好む人たちのロークオリティでも、生きる術はあり得るはずです。
 
それは同時に、グローバルとローカルの格差拡大をも意味しますが、その点は格差是正のために資本主義をさらに洗練させた新たな知恵が求められます。
 
いまの考えでは「お金の効力を一部、無力化」が有効だと考えていますが、その辺については、そのテーマの良い本がないか探索中です。

多様性の時代と言われますが、正直、周りにいる人たちと価値観が合うほうが人生は面白いですし、多様性を担保する必要があるのは社会全体での話です。
自分の中で江戸と明治のどちらの割合が強いかで、実際に対面する人間の割合も買えてみるのも一手です。

2021-09-10

「洗たくマグちゃん」、あれから4か月、、、宮本製作所の企業姿勢を問う。

 

 

洗たくマグちゃん」 を販売する宮本製作所に動きがありました。

 

当ブログでの過去記事は下記の通りです。



ポイントはざっくり以下の通りです。
  • 広告が過剰表現で、根拠は不十分だった!
  • アルカリ性の水だったら、洗浄力はどうなのか?(再試験はするの?しないの?)
  • 消費者の洗浄力に対する満足度や、(過剰表現による)ミスマッチは?

広告については、この一件で反省したとのことで、他2点についてリリース内容を見ていきます。

 

トピックス

  • 洗濯テストの結果
  • マグちゃんひろば 
  • 環境団体によるモニターアンケート調査
  • まとめ

 

 

・洗濯テストの結果

洗浄力と公平な第三者機関による調査はされるのか?この1点を企業姿勢としてずっと気にしていました。
結論から言うと、「再試験はしたけど、また社内調査かい!」 です。

現在も鋭意試験中につき、全ての試験内容をお伝えすることが出来かねておりますが、弊社で実施する洗たくマグちゃんの試験内容の一部について、お知らせいたします。
ただし、現在も調査中とのことで、早急に判断せず見守りたいです。
 
当試験の結果に、不正や偽りはございませんが、試験条件の見直しや、試験実施回数が不足していることは事実であり、弊社は、その事実を真摯に受け止め、データの再取得に向けて、より一層注力しております。
また、データの再取得についても実施する意思はあるようです。

消費者庁より合理的と承認されるデータの取得に向けて、今後とも大学や専門の外部機関と連携し、洗浄・消臭・除菌に関する製品テスト、研究開発に力を入れてまいります。
データ取得自体は検査すれば簡単にできそうですが、試験条件の設定が困難なのでしょうか? 研究開発するにせよ、現状のデータは必要です。
 
また、外部検査機関の試験と並行して、弊社の研究所でも洗たくマグちゃんの洗濯効果に関する試験を重ねております。
だから、社内調査はええっちゅうねん!
第三者機関によるデータを出してって話です。
 

「洗たくマグちゃん」は理系の人も居ると思われますが、アレなんですかね。
このままだと、「納得いく結果が得られなかったから濁している」と邪推されてもおかしくない残念な対応です。
 
洗濯テストの試験内容が写真とともに掲載されていますが数値は全くなく、また洗浄力テストと勘違いしていましたが洗濯テストでした。(リリースタイトルは洗浄テストでしたが)
 
社内にある13台の実験用洗濯機の洗濯テストとのことで、もしかしたら実験用洗濯機のテスト(洗濯機メーカー?)かと思いました。
 
宮本製作所には、誠実な対応を期待します。(数値的根拠を!)
 
 

・マグちゃんひろば 

おそらくは、消費者とのミスマッチを防ぐ目的で、8月10日に「マグちゃんひろば」がオープンしています。
現在は、「お気に入りポイント(利用アイデア)」、「出会ったきっかけ」のテーマで投稿を呼びかけています。
ECサイトのレビューのようなファンサイトのような感じで、これはこれでミスマッチを防ぐ目的ならOKですが、そもそもファンコミュニティのため、ネガティブレビューは存在しないでしょう。
SNS上(Twitter、Facebook、Instagram)でのハッシュタグは、「#マグちゃんひろば」、「#マグちゃんのある暮らし」です。


・環境団体によるモニターアンケート調査

環境団体「NPO法人食品と暮らしの安全基金」による「マグちゃんの『汚れ落ち』について、モニターアンケート調査」です。
以前の記事でも指摘したように、件のNPO環境団体はマグちゃんに好意的な団体です。
しかも、モニターアンケート調査とのことで、ただの満足度調査です。
 
一番大事なことは、満足度調査個人がどう思うかの結果)は科学的に何の根拠にもなりません
 
また、この団体は
「風邪の効き始めに効く」と書かれた市販の漢方薬で治せば、コロナ患者が増えないので、社会問題は解消する、という報道をしてきました。
 
とサイトに堂々と記載があります。
正しいことをして世の中に貢献したい気持ちに対し、実際の知識や行動が追いついていない印象です。DHCの「独自調査ランキングNo.1」商法と変わらない危うさがあります。


・まとめ

宮本製作所が再試験を行う意思はあるようで安心しました。
また、「アルカリ水に一定の洗浄効果は期待できる」問題についても、水で洗う以上の効果は期待できると考えます。
 
その辺は大きく変わりませんが、企業姿勢として宮本製作所の浅はかさや隠蔽体質、不誠実さと捉えられる箇所が散見されます。
 
何が恐ろしいかって、おそらく当人たちは何の悪気もなくやっていて、本当に良いことをしていると思いながら、経済活動のルールを逸脱したと思われる所です。

政治家たちの不適切発言同様、時代の流れについていけない高齢企業(地方企業)の隠蔽体質が、今後も様々な場面で問題を引き起こしかねないと感じています。
 
「数値的根拠を!」
 
 宮本製作所は、この1点を胸に刻み情報公開に努めてほしいです。
 

2021-09-04

「お金は人の命より重い」の検証と、刑法のついての記録~人の命は無価値?



 

「お金は人の命より重い」と言われますが、本当でしょうか?

 その根拠となっているのは、刑法の罪の重さ(順序)のようです。

一生縁がないと思いますが、「重犯罪と通貨偽造罪」と「命の重さ」についてまとめます。

 

トピック

・刑罰と罪名のまとめ
・「お金は人の命より重い」の検証
・命の重さ、命の値段について
・まとめ

 

 

・刑罰と罪名のまとめ

刑罰の重さ(順序)と簡単な内容説明は、以下の通りです。

主刑	生命刑	死刑	1	絞首、合計19種類 	自由刑	懲役	2	刑務所に拘置、刑務作業を強制 		禁錮	3	刑務所に拘置、刑務作業は任意 		拘留	5	拘留場に1日~29日の範囲で拘置 	財産刑	罰金	4	1万円以上 		科料	6	1万円未満、前科はつく 付加刑		没収	–	単独での言い渡し不可(付加)
引用(https://tfutaba.com/keibatu_shurui/)

 

死刑になりうる犯罪(主要18種)については、以下の通りです。

死刑になる主要犯罪18種		重さの順序	最小	補足 刑法犯	内乱罪	2	無期禁錮	革命やクーデター 	外患誘致罪	1	死刑	外国と共謀し、日本に対して武力行使を誘発(テロ組織は含まず) 	外患援助罪	8	2年以上の懲役	外国からの武力行使時に加担、協力 	現住建造物等放火罪	6	5年以上の懲役	人がいる建物、電車、船などに放火 	激発物破裂罪	6	5年以上の懲役	人が中にいることが明らかな建物、電車、船などを爆発 	現住建造物等浸害罪	7	3年以上の懲役	水を溢れさせて、建物、電車、汽車などに損害(ダム決壊など) 	汽車転覆等致死罪	2	無期懲役	電車や船などを転覆、破壊した結果、乗客などが死亡した場合 	水道毒物混入致死罪	6	5年以上の懲役	水道に毒物を混ぜた結果、人が死に至った場合 	殺人罪	6	5年以上の懲役	人を故意に殺す犯罪(放置で死亡が予想される場合も適用の可能性) 	強盗致死罪	2	無期懲役	強盗を行った結果、人が死亡 	強盗強姦致死罪	2	無期懲役	強盗の際に、強姦などを行い、その結果人が死亡 特別刑法犯	航空機強取等致死罪	2	無期懲役	ハイジャック中に人が死亡 	航空機墜落致死罪	3	7年以上の懲役	飛行中の航空機を何らかの方法で墜落させ、人を死に至らしめる 	爆発物使用罪	4	7年以上の懲役・禁錮	他人の身体、財産を侵害するために爆発物を使用 	人質殺害	2	無期懲役	人質を殺害 	組織的殺人	5	6年以上の懲役	組織的に殺人をする犯罪 	海賊行為致死	2	無期懲役	海賊行為によって人が死亡 	決闘致死	6	5年以上の懲役	当事者間で合意して、暴力を行使して死に至らしめる

引用(https://keiji-pro.com/columns/181/)

 

通貨偽造については、以下の通りです。

引用(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045)



・「お金は人の命より重い」の検証

殺人罪は、「最低5年以上の懲役~最大死刑」で、組織的殺人は、「最低6年以上の懲役~最大死刑」です。

それに対して通貨偽造罪の場合は、「最低3年以上の懲役~最大無期懲役」です。

 

ケース・バイ・ケースですから、一概に比較はできませんが、最低ラインだけ見ると「人の命のほうが重い」ことになります。

 

簡単のために通貨偽造罪の「重さの順序」も、「死刑になりうる犯罪(主要18種)」の序列と合わせて表記していますが、すべて「7」以下なのが分かります。

 

また 、「死刑になりうる犯罪(主要18種)」では、人が死亡しているときの最低ラインが「5年以上の懲役」ですが、人が死んでいない場合でも放火や爆発物使用では、最低ラインが「5年以上の懲役」となり、木造住宅の多い日本の事情が反映されていると見れます。

「火に対しては、かなりシビア」は新しい発見でした。

未成年への死刑適用は18歳からの慣例も複雑ではありますが、事実として抑えておく必要があります。

 

 

・命の重さ、命の値段について

弔慰金は、民間サラリーマンの場合800万円、公務員の場合2660万円。
職種によっては「賞恤金(しょうじゅつきん)」があり、490万~3000万円。
命の危険を伴う職種が対象で、その公務中に死亡した際に、功績を称えて支給される弔慰金。
ただし、賞恤金は「二重取り」になるため、賞恤金の対象者は災害弔慰金の500万円を受け取らない慣例。※週刊ポスト2012年2月17日号(https://www.news-postseven.com/archives/20120207_85668.html?DETAIL)

イラク派遣などで死亡した自衛官には、最大9,000万円の弔慰金が支払われるなどの措置もあり、過去に話題になりました。


ただし、「命の値段」ではなく、資本主義に則った「損失価値の補填」や「需要に対し供給が少ないことへの上乗せ」と考えられます。


「損失価値の補填」は、例えば交通事故で怪我をした場合、事故のせいで仕事を休む必要が発生しますが、その場合の休業補償金は本人の時給換算になります。

生み出す価値が高いほど、結果的に金額が大きくなるだけで、その人の命の値段とするのは後付けで、「本来なら得られていた対価」を補填しているに過ぎません。


「需要に対し供給が少ないことへの上乗せ」も、需給の原則の通りで、需要が高く供給が少ない場合、希少価値が高くなるため価格は吊り上がります。

死ぬ可能性の高いイラク派遣を皆嫌がるからこそ、志願した人への手当は手厚くなります。

また生涯賃金の補填と解釈すれば、「損失価値の補填」といえます。



・そもそも人の命に価値はあるか?

「死刑になりうる犯罪(主要18種)」を読んでいて気づくのは、国に対する侵略行為や他人に対して権利を侵害する行為に、より重い刑罰が科されていることです。 


つまり、「他人(国)の権利を侵害するな!」に尽きるのではないでしょうか。

 

他人の権利をいちいち説明するのが面倒だから、「人の命は大切」と教えることで、「他人の命を奪う=他人への権利侵害」を説明している気がします。 


それならば、自殺や安楽死、尊厳死はどうなるのか。

映画『フェアウェル』の中では以下のように語られています。

命は自分のものだと思ってるだろ?
東洋と西洋では違う
自分だけの命じゃない
家族みんなの命だ 

引用(https://www.youtube.com/watch?v=l1l9UwY3q4g)

 

自分の命を奪うことは、家族に対して権利侵害である、と主張しています。



・まとめ

いかなる場合であっても、「他人の権利を侵害する」ことは許されません。

多様性や平等社会の根底にあるのも、「自らの権利の行使」や「反権利侵害」であるはずで、現代人が抑えるべき項目です。

語られている内容が、「権利を行使」しているのか「侵害」しているのかをベースに物事を判断、進めると議論が幾分かスムーズになります。

 

2021-06-04

「洗たくマグちゃん」批判記事に対する見解と、宮本製作所のいまに知る。

 


「実質的にはただの水洗い」洗たくマグちゃんは無意味だと言える"科学的な理由"-左巻 健男東京大学非常勤講師(https://president.jp/articles/-/46443)

 

上記、プレジデントの記事について、宮本製作所になにか進展があったのかと読んでみました。(ことの発端は→「洗たくマグちゃん」が落とせない汚れは何だったのか?

結果、「洗たくマグちゃん」否定派の意見を知れて良かっただけでなく、記事の中で根拠として出されていたソースが、とても参考になりましたので紹介します。


ただし、記事中にはソースに書かれてる内容の、都合のいい部分だけを切り取られていて、終いには「『アルカリで洗う』はウソだった」とまで書かれていたので、リンクを貼るのは控えさせていただきます。

 

記事のトピックはざっくり、下記の通りでした。

  • 「洗たくマグちゃん」の経緯    ←事の経緯を知らない人向けに必要!
  • 洗濯ボール・洗濯リングなどの紹介 ←マグちゃんと関係ない
  • 重曹を使って洗濯の紹介      ←これも関係ない
  • マグネシウムでの洗浄効果は水洗いと変わらない  ←ここのソースが個人サイト
  • 主観的な感想は効果の根拠にならない  ←言ってることは正しい。が、個人サイトをソースとして出してるのはなぜ?
  • 効果検証には厳密な実験を     ←こちらも同意見。しかし、個人サイトをソースとして紹介しているのはなぜ?
  • 「科学的な用語」に騙されるな   ←自著の宣伝はあって良い
  • 既存の石けんや洗剤も環境に配慮されている ←メーカー、ヨイショ?


言っていることは正しい部分もあり、メーカー側がどう対応するか、適切な検査結果を提出できるか(するのか)含め、注目ポイントです。

ただ、「主観的な感想は根拠にならない」や「不適切だった効果検証」を指摘する割には、自身が根拠とするソースが個人サイトの時点で支離滅裂であります。

また関係ない洗濯リングなどを過去の事例として引っ張るのは良いとしても、それら同様に「洗たくマグちゃん」を語り、貶めているのは作為的な印象操作かと。

 

・・・・・

 

次に、記事内で紹介されていたサイトについてです。

アルカリ助剤を使った洗濯は効果あるの?
http://sekken-life.com/life/soap_seski.htm

 

ざっくりと紹介すると、以下の通り。

  • 水で落ちる汚れは、アルカリ剤を使わなくても落ちる(使う必要がない)
  • 油、泥などのひどい汚れは、アルカリ剤では落ちない
  • 皮脂汚れや汗の臭いには、アルカリ剤を使った方が、水よりも効果的 
  • 風合い(肌触り)が悪くなる


サイト内では丁寧に、表組みで洗浄効果の検証結果が表示されています。※ただし、個人の実験結果です。

また、アルカリ剤は、限定された洗濯物に対しては、水で洗うだけよりも効果があると書かれています。

筆者の主張は、まとめて石けんで洗った方が合理的としながらも、アルカリ洗濯も限定的ではあるが効果を認めています。

ただし、過剰洗濯(水や電気の無駄遣い)や過剰な石けん投入を助長するのでは?と否定的な立場です。(洗濯回数などが増えていたら本末転倒)

 

以上の筆者の考えは、環境に良いとしながらも、実は環境負荷をたかくしていないか?と警鐘を鳴らしているだけで、すべての洗濯物をアルカリ洗濯し、本人がそれで満足できるならエコに貢献できています。(それは筆者も認めています)

最終的には消費者が、洗浄力をどう評価するかの問題です。

プレジデントの記事内では、もちろんその点については触れられていません。

 

・・・・・


続いて、重曹の場合ですが、適切な試験結果の例として以下の記事を挙げています。

北海道消費者センターのテスト結果を報告(重曹の場合)

洗浄力
洗剤:40-80%
重曹:30-50%
水:20%

詳細はリンク先に任せますが、洗浄力の品目別の平均値が記載されています。

重曹は濃度を2%まで上げると高い効果を発揮できるようです。

また、一般の洗剤にも洗浄力に差があるようで、重曹もうまく使えば洗浄力の弱い洗剤ぐらいの効果はあります。そうなると、消費者の洗浄力の満足度合いの問題になります。

 

・・・・・

 

プレジデントの記事は、この点にも触れられておらず、記事中で「ウソだった」は、言い過ぎではないかと。また、「洗たくマグちゃん」利用者も洗浄力が市販の洗濯洗剤より劣ることは承知の上だったはず。

いつの間にか広告表現がキツくなり、強い表現が使われるようになっていますが、本来は下記のような「併せて使ってください」、「気にならない人はこれ1本で」のスタイルでした。

 

 

「水+マグちゃん」と「液体合成洗剤」では差が少ないように思えますが、先ほどの北海道の試験場の結果を見ると、重曹2%の洗浄力が「50」で、中世液体合成洗剤が「58」ぐらいだったので、 あながち間違いとも言えません。

液体合成洗剤とマグちゃんの洗浄力が近いことも十分あり得るのです。


・・・・・


宮本製作所は、「弊社製品への想い」のタイトルで5月6日にニュース記事を出していました。

 記事の中では、

 消費者庁からの指摘は、製品の訴求表示を裏付ける合理的な根拠を示す資料が不十分であったものであり、マグちゃんという製品の販売や効果を否定されたものではないと考えております。

としながらも、

今後、皆さまにマグちゃんをより安心して使っていただくために、製品の表示管理体制にはなお一層万全を期して参ります。
と締めくくっていて、「再試験しないんかい!」と思わずツッコミを入れたくなりました。
 
もしかしたら、表示管理体制の中に再試験も含まれているのかも知れませんが、コメント内では言及されていませんでした。

アルカリ性の水だったら、洗浄力はどうなのか?

北海道の試験場で実施されたような試験結果の報告が待たれます。 


今回、貴重なソースに触れる機会を与えてくれたプレジデント記事には感謝すると同時に、執筆した東大非常勤講師のような偏った考え方に陥らないよう反面講師にしていきたいです。


2021-05-03

「洗たくマグちゃん」が落とせない汚れは何だったのか?


 

4月27日、「洗たくマグちゃん」の消費者庁の措置命令を知ったのは下記ツイートでした。

 

マグネシウムのを実際に洗濯に使っていたので、ショックでしたが同時に違和感もありました。まず先に、現時点(5月3日)で公表されている情報を列記します。

株式会社宮本製作所に対する景品表示法に基づく措置命令について(消費者庁)

「洗たくマグちゃん」の消費者庁の措置命令についてお詫びとお知らせ (宮本製作所)

「洗たくマグちゃん」の新パッケージにつきまして(宮本製作所)

 

パッケージは以下のように変更されました。

<変更前>

 

<変更後>

新パッケージ

消費者庁のリリースには、以下の記載があります。

 「ご家庭の水道水がアルカリイオンの水素水に変身!洗剤を使わなくても大丈夫なお洗濯」、「部屋干しのイヤな臭いをスッキリ解消!」、「菌の抑制」及び「除菌試験により99%以上の抑制効果が確認されています。」等と表示するなど~(中略)~一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものであること。(P.39 「株式会社宮本製作所に対する景品表示法に基づく措置命令について[PDF:3.8 MB]

ここまでが事実確認になります。

で、ここからが本題です。先ほどのツイートの違和感は、

科学的な根拠がないと聞いていた商品。

の部分です。

誰に聞いていたのか、どうして発信しなかったのか、ニュースになってから後乗りしたのか、不思議でした。もちろん、「根拠がないことに根拠がない(証明できない)」から言わなかったのでしょう。しかし、宮本製作所を引きずり下ろすような発言をするのはなぜか?

「後出しジャンケン」や「環境推進者による内ゲバ」を見せられ、違和感や後味の悪さが残りました。

そこで、「景表法的にNGでも、実際に効果がない、科学的根拠なしとはならないのでは?※洗浄力は弱いので、表現が適切ではない」と反応しました。

この反応が適切だったかは微妙です。

宮本製作所も、あまりに商品が売れるものだからついつい表現を強めにしてしまったことや、外部試験場に検査に出すお金や手間を省いたために、今回のことに繋がったと予想されます。

景表法違反を擁護するつもりはありませんが、少なくとも、

  • 環境への低負荷
  • お肌に優しく洗剤の臭いは無臭に近い
  • 弱アルカリ性で酸性(皮脂)を洗浄する

の3点は効果があり、「洗剤いらず」や「99%抑制」の表現は根拠不十分で不適切でした。

つまり、景表法違反と環境貢献の部分は線引して発信してほしかったです。

言い換えるなら、宮本製作所=悪と断罪せず、経過を注視してほしかったですし、「前々から根拠なく不当な商売を行っていた」のような印象を与える表現は避けてほしかったです。

他の方の反応をみても、「洗たくマグちゃん」をきっかけに目覚めてる人もいます。

景表法違反(優良誤認)のため、根拠もなく誇大表示をしてしまったことは反省すべき点で、再発防止も当然必要なことです。

ただ、宮本製作所が「洗たくマグちゃん」に込めた「大量に洗剤を使わなくても汚れは落ちる」のメッセージは、環境負荷軽減への提言として的を得ており、多くの人の意識を変えました。

弱アルカリ性の水による洗浄力を知った人たちは、洗剤を使わなくても(または微量でも)十分に満足できる人ことを理解し、今後も自分の判断で使い続けるはずです。

宮本製作所の「洗たくマグちゃん」をきっかけに生まれた素晴らしいエコムーブメントにも目を向けてほしいのです。

是々非々で議論するに辺り、人間の感情は時として邪魔をします。

今回、表現が行き過ぎてビジネスライク(売上重視)になってしまった点と、「洗たくマグちゃん」が示した可能性については、分ける必要があります。

良い点と悪い点を踏まえ発言するには、ツイッターは140字と文字数は足りず、十分な時間や判断を伴わずに投稿できるため、残念な意識のすれ違いが起こります。

「冷静に」や「遅いインターネット」や「ソースが大事」といったところで、人間の感情的にすれ違いは起こってしまうネットの汚れのようなものです。

できることがあるとすれば、根気よく事実確認をして性急に答えを求めない姿勢を取り続けることでしょうか。 

事態が良い方向に向かうことを願います。

ただ、「環境団体が消費者庁に訂正を要求」に対して、宮本製作所が変な反応の仕方をしていたので、そんな事はいいから、早々に試験場から検査結果を受け取り、開示してほしいところです。 (環境市民団体の「食品と暮らしの安全基金」は宮本製作所に対して好意的な団体です)

いま、些末なことでグズグズ対応していると、本当にインチキ事業者の烙印を押されかねません。地球にとっても、消費者にとっても残念なことです。

今後、適切な対応がなされるかどうか、見届けたいです。

・・・・・

また、「洗たくマグちゃん」問題に触れる際は、メーカーと代理店の関係(広告費を大量投下してもらっている側の忖度)も重要です。

広告予算が僅かな宮本製作所が、連日、雑誌やTV、ドラッグストアなどで認知獲得に成功していると、快く思わない巨大資本側からの圧力は当然、予想されます。

白竜」ではヘルシー過ぎて取り上げられない題材ですが、巨大資本による圧力などの陰謀論が生まれるぐらい、画期的な(洗浄力と環境負荷のバランスの取れた)商品です。

ちなみに現在、我が家の洗濯洗剤は下記を使用しています。 

マグネシウムを洗濯ネットに入れて使用しているのと、合成洗剤を併用しています。

カネヨ石鹸は合成洗剤ですが、なるべく環境にもお肌にも優しいものを選択しています。

  



2020-10-12

格差や貧困問題はお金を配っても解決せず。貧困の連鎖を断ち切るものとは?

 
 
「特権とは?」をみて、海外らしいストレートな内容に衝撃を受けました。
 
それから、しばらくして、
「特権もそうだけど、貧困や格差の問題は、お金を与えても解決しないんじゃないか」と、ふと思いました。


貧困家庭に生まれて、育児放棄や家庭内暴力などの虐待を受けた子供が、どうして健やかに育つのか?

その世帯にお金を配ったとして、虐待などはなくなるのか?

貧困の連鎖は、どうやって断ち切ったらよいのか?

貧困に育ったがゆえのハンデをどう解消するか?

について考えました。
 
 

・虐待されて健やかに育つのか問題

「三つ子の魂百まで」といいますが、3歳までに虐待を受けたような子供が、その先の保育園や小学校で、明るく元気に振る舞うことは考えづらいです。
 
それどころか、いじめの対象になったり、その反動で小~中学校で非行に走る可能性もあります。

そのまま、義務教育を終えて高校にも通わないか、将来の進路とは関係ないような高校へ通った場合、20歳時点で奨学金無しで大学進学させられる家庭と比べ、相当な差があるはずです。
 
20歳で成人した=大人だから自己責任、はあまりにも残酷ではないでしょうか?

下記はパレオダイエットで有名な鈴木祐さんのブログの引用です。

        -特に幼少期の暴力やトラウマは大脳皮質を小さくする
        -幼少期の貧困やネグレクトなどは認知と感覚の処理を司る
           エリアのサイズ減少と相関していた
        ※幼少期の辛い体験が細胞レベルで人間を老けさせるhttps://yuchrszk.blogspot.com/2020/09/blog-post_52.html


大人になる前、さらには義務教育を受ける以前に、トラウマを背負った人たちは、自己責任を果たそうにも大きく差が開いた状態である認識がどこまで浸透しているのか気になります。
 
「特権とは?」の動画のように、自分たちが生まれ持った当たり前のものだと、気がついていない場合があるんじゃないかと。


・貧困世帯にお金を配って解決するのか問題

単純にお金を配って解決するならば、BI(ベーシックインカム)を導入するのも手っ取り早い方法です。
 
子供1人なら、仮に正社員が週3~4休の導入でコストカットされて、20-40%減収した場合でも、7万円×3人=21万円+自分たちの給与(30-45万円)で51万円。世帯手取りで612万円程度で、物価が安定しているなら安心できます。

        平均年収(男性)は、
        20代369万円→258万円(手取り額207万円)月額:17.3万円
        30代481万円→337万円(手取り額269万円)月額:22.4万円
        40代567万円→397万円(手取り額320万円)月額:26.7万円

        平均年収(女性)は、
        20代319万円→223万円(手取り額180万円)月額:15万円
        30代375万円→263万円(手取り額219万円)月額:18.3万円
        40代401万円→281万円(手取り額225万円)月額:18.8万円
              ※年代別・年齢別 平均年収情報【最新版(2019年)】https://doda.jp/guide/heikin/age/

20代のシングルマザーであれば、7万円×2人=14万円+給与(15万円)で29万円。
世帯年収で348万円です。

母子世帯の平均年収は243万円で父子世帯は420万円となっていますので、金額だけなら現在のシンママより楽になります。

また女性の世帯収入(同居親族の収入を含めた世帯全員の収入)が348万円のため、親元で子育てしているぐらいの、お金の余裕が生まれます。(子育て負担を考えない場合)
※厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188167.pdf

お金に余裕があれば、虐待は減り、子供とのコミュニケーションに時間を割け、子供が健やかに育つのでしょうか?

シングル家庭であれば、母親または父親の社会的孤独をサポートできなければ、健全な子育て環境とはならない気がしますし、両親貧困の場合は、どちらかが働いていなかったり、中毒(お酒、賭け事、タバコ、ドラッグ、暴力など)をもっている可能性があり、それらを克服する必要があります。

つまり、お金は大切だけど、お金を配っても解決しないと。


・貧困の連鎖は断ち切れるのか問題 

貧困を断ち切るには、幼少期の虐待など、トラウマを与えずに子育てする必要があります。
 
貧困は巡り巡って犯罪発生や医療費の高騰など、社会全体のコストとして跳ね返ってくる問題で、目を背けるべきではないとされていますが、だからといって個々の世帯の事情に対して、どこまでの干渉が許されるのでしょうか?
 
虐待死をなくすこと、虐待自体を防ぐこと、保護された児童養護施設でも虐待やいじめは起こり得るし、義務教育でも起こり得ます。 

小学校のイジメを無くすのも達成できないのに、虐待死や虐待を防げるものか?


※児童虐待による死亡事例の推移(児童数)https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000361196.pdf
 


幸いなことに平成19年をピークに虐待死の数は減少しています。

「虐待死は3歳以下で77%」とのデータもあるため、3歳までは積極的に介入して人命救助する必要があります。

※特集 若年(10代)妊娠 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000361196.pdf


また、「10代妊娠の場合は養育能力が不足している場合が多くある」ため、低所得世帯や若年世帯に対して、健康診断を1~3か月に一度実施するのがシンプルです。(栄養や発育状況・身体的外傷の有無を調べる)
 
当然、未受診者家庭には、積極的に介入します。

その辺は、親の所得や嗜好を大量に機械学習させれば、虐待予測シュミレーターも容易に作成できそうです。

マイナンバーカードで、資産や所得状況、嗜好や健康データを統合して取得すれば、信頼スコアじゃないですが、精度の高い予測ができそうです。

例えば、順風満帆なステータスの人でも、ライフイベントで突然、ピンチに陥る可能性もあり、そういった人たちを補足できるようにもなります。

問題は、社会がどこまで許容するかです。

新型コロナ下でも、個人の陰性・陽性を取得して国民の行動を細かく管理制限して、大規模感染を防ごうとするアイデアもありましたが、個人情報保護の観点からか実行されませんでした。
 
同様のことが、貧困・虐待救済時でもいえます。


・貧困に育ったがゆえのハンデをどう解消するか問題

貧困を経験者が、直面する困難は「お金」「健康」「学習能力」「認知能力」と考えた場合。

「お金」は、助成金やBIで解決できるかもしれません。
 
しかし、お金を使う力(意思決定や判断力)や、お金以上に大切な人間関係構築能力に関するハンデ(「学習能力」「認知能力」)は、幼少の人格形成期にトラウマを抱えたことにより、その後の人生でずっと付きまといます。
 
人格形成の問題(認知の歪み)は、コミュニケーション能力の問題に繋がり、適切な人間関係が構築できないことにより、様々な困難が生じます。

卑屈になったり、相手の顔色を常に伺ったり、攻撃的になったり、といった具合です。

DaiGo さんのブログでは「トラブルに気付くのが遅く、トラブルから受ける心理的なダメージには弱い」と書かれています。
※子供時代のトラウマが脳に与える影響とその対策https://daigoblog.jp/childhood-trauma/

またソーシャルサポートといわれる、友好な人間関係を構築できなかったり、人間関係を維持する能力が低いと、人生の幸福度は低下し、乗り越えるべき困難に直面しても、ストレスに弱く踏ん張りがきかないなどの弊害もあります。
 
当然、社会的ステータスの面でも、見えない重荷を背負うことになります。
 
成長期に社会と自分との立ち位置を学習するため、その後の人生の様々なイベントに於いても、自分が貧困であったり虐待された経験が「犯罪者の前科」のように付きまといます。 

この呪いを、個人で断ち切る必要があります。

もちろん、個人で断ち切れる人もいれば、貧困や虐待のトラウマに苦しみ一生を終える人もいます。

他者からすれば、こうしたらもっと良くなると思っても、個人の価値観については、どこまでいっても個人の問題のため、介入は難しいです。

社会としてできることは、認知の歪みを改善するための「マインドフルネス」や「認知行動療法」などの環境を整備することです。
 
行動するかしないかを「自己責任」とするなら、選択の自由は個人にあるため、自己責任といわざるを得ません。 

時代のタイミングにより、一定数の人は割りを食ってしまいます。
 
しかし、もしそれらの負の連鎖の渦中にいる人たちが、子を生み育てるとなったとき、貧困や虐待を連鎖させてしまうような場合は、それらを未然に防ぐサポート(介入)ができる状態になっていたら、つらい思いをしてきた人たちも多少は報われるのではないかと思います。
 
 

・まとめ

そもそもの前提条件は共有できているか?
 
自己責任の範囲と条件は何を前提としているのかが、お互いに見えていないと傷つけ合うことになりそう。
 
 
3歳児までは、親のステータスを小まめに取得して、必要であれば積極的に介入できた方が、子供のトラウマを未然に防げるんじゃないか?
 
しかし、どこまで介入が許されるかは、現存の社会との折り合いが必要。
 
 
すでにトラウマを経験してしまった人は、専門的な治療を受けるか、個人で「マインドフルネス」を活用して、できる限り認知の歪みを直していく。

治療に取り組むかは「自己責任」で、個人の自由。

仮に、喫煙により医療費が高くなる場合、貧困環境下で育ったため喫煙習慣があったとしても、止めないなら医療費負担を受け入れる。(個人の問題)

しかし、子供が受動喫煙にさらされている場合、介入してでも止める。(社会の問題)

社会の問題に対して個人ができることは限られますが、個人でできることは「マインドフルネス」の実践と、「健康への取り組み」、「お金との長期的な付き合い方の学習」。

健康やお金に関しては、他者よりも不利な立場からのスタートになるが、それは大した問題ではないはず。
 
他人と比較せずに、自分のペースで着実に積み上げていく、長期的な視座があれば困難を乗り越えられる。(これは、「マインドフルネス」を取り入れた後なら機能しやすい) 

もし子育てをするなら、自助努力でできることは、自分のトラウマを踏まえ「弱い部分」を理解すること。
 
おそらく「不安=神経症的傾向」が強く、パートナーも似た傾向があると考えられるため、お互いに「堕ちていく」関係ではなく、「補完し合う」関係を築けるパートナーが良い。
(これも、相手の課題と自分の課題を分けて考えられる状態が望ましい)

 
お金を稼ぐ能力が高いと、お金で解決できる部分は一気に解決できるけど、それ以外の部分はお金の有無関係なく、自分や社会と向き合って解決する必要がある。