風鈴がほしいなと思い立ち、最近、色々調べた記録です。
端的にいいますと、「中川政七商店の音くらべ動画」がとても役に立ち、これで十分じゃないかってレベルでした。
もちろん、これ以外にもジャンルも有り、奥が深いなと思いましたが、初めて検討する上では、十分な内容でした。
風鈴に興味を持ったら、まずはこのサイトをチェックして、自分の趣味趣向を確認するのが良さそうです。
目次
■風鈴のジャンルについて
■風鈴の形状について
■選ぶ際のポイント
■風鈴だけが、風鈴に非ず
■最終候補の面々
■風鈴の形状について
■選ぶ際のポイント
■風鈴だけが、風鈴に非ず
■最終候補の面々
■風鈴のジャンルについて
まずは、風鈴のジャンルについてです。
先程のサイト以外も含め、7つに分けられました。
- 木風鈴、竹風鈴
- 炭風鈴
- ガラス風鈴
- 焼物風鈴
- 石風鈴 (サヌカイト)
- 鋳物風鈴
- 火箸風鈴
上のほうは硬く乾いたカラカラした音で、下にいくにつれて振動が強くなり、重く余韻を楽しめる音になってます。
【木製系】
木製
備長炭
木製だから木琴のような音ですが、備長炭になると鉄琴のような高い澄んだ音になります。
不思議ですね。
価格は、2,000~3,000円程度で「紀州の音」などが有名なようです。
また、Amazon等で備長炭を仕入れれば自作も可能です。
備長炭を自分で仕入れれば、好みの音を確かめて自作できるのがメリットです。
また、炭は消臭、調湿など空気清浄効果も期待できるのが良い点でした。
【焼物、ガラス系】
江戸風鈴(ガラス)
益子焼、有田焼、越前焼
津軽金山焼、伊万里焼、出石焼
波佐見焼
https://www.specialthanks.online/SPECIALTHANKS/item/fuurin-movie.mp4こちら、セトモノ音って意味では、ガラスも焼物も似たような音になってます。
焼物のほうが微妙に響きがよく、余韻が楽しめる印象です。
ガラスは、透明な見た目がキレイで、可愛らしく涼しげでカラカラした音。
焼物は、それぞれの意匠の好みが分かれ形状も様々で、その辺が選ぶポイントになりそうです。
価格は1,000~3,000円です。
6~7月にかけて焼物の産地では、風鈴市を開催することが多く、現地で実際の音色を確かめて購入するのも良さそうです。
大量に風鈴が並べられて、その音色を聞く機会も滅多にありませんし圧巻です。
また焼物なら、器と風鈴でお気に入りのデザインに統一することもできますね。
【石系】
サヌカイト
繊細で高音で、石らしからぬ石です。
讃岐岩という石が、奈良、香川、大阪周辺で取れるようですが、石というより讃岐岩がポイントのようです。
関東圏からだと馴染みがないサヌカイト、実はスゴい資源でした。
現状では、石風鈴=サヌカイト風鈴ですが、似たような性質を持つ石があれば、新しい音色の風鈴が生まれるかもしれませんね。
値段は、3,000~5,000円です。
石自体は、いい音色が出るだけあってわりと脆いので、管理には注意が必要です。
【鉄系】
鋳物・南部鉄器
鋳物・高岡銅器
鋳物・小田原砂張
鋳物は、THE・風鈴な音色のものが多いです。
南部鉄器は、比較的安価でAmazonで1,000円~購入できます。
逆に高岡銅器や小田原砂張などは非常に高価で、一万円以上します。
小田原砂張は風鈴界のベンツと称される高級風鈴だそうです。
しかし、砂張以外にも小田原風鈴には種類があり、そちらであれば3,000~5,000円で購入できます。
そもそも、砂張とはブランド名ではなく素材名で、銅を主成分に鉛や錫を混ぜた合金のことです。
こちらも非常に脆く、管理に注意が必要です。
やはり、その儚さ繊細さが風鈴の良い音色の秘訣なのでしょう。
個人的には、高岡銅器の音がお気に入りです。
明珍火箸
明珍火箸風鈴は、ハイブランドでお値段は数万円します。
高島屋などでしか取り扱いがなく、とても高価な代物です。
こちらは風鈴界のロールスロイスといったところでしょうか。
ところで、Amazonでは清水製作所という会社が「ひのや本舗」というブランドで火箸風鈴を販売してます。
こちらは、職人による手作業ではないので、音の善し悪しはあるかもしれませんが、火箸の良さを取り入れるには十分です。
実際に音のサンプルは無かったため、その辺の判断も できませんが、形状による火箸の音は取り入れられます。
火箸風鈴も良い音色でお気に入りですが、明珍に関してはお値段が可愛くありません。
さて、どうしたものか?といったところです。
個人の趣味趣向では、高岡銅器と火箸風鈴がお気に入りで、現段階の候補です。
■風鈴の形状について
また、風鈴は形状による音の違いもあります。
大小なら、大きいほうが低音で太い音。小さいほうは高音で軽い音になります。
形では、細長いほうがシャリーンといった煌めくような豪華な音で、丸いほうが柔らかいリーン(小)や、ゴーン(大)などの音になります。(お寺の鐘ですね)
■選ぶ際のポイント
で、ここまで見てきて、選ぶ際、どこに着目したらよいか整理します。
①素材による音の好み(主に余韻の有無)、②形状による音の好み(丸⇔細長い、大⇔小)、は上記で説明した通りです。
その次は、③デザインによる好み・実用性、④音を鳴らすタイミング・時期、になります。
デザインの好みは焼物系を選ぶ際、重要になることがイメージしやすいです。
また今回、風鈴を選ぶにあたり、意外と重要になったのが実際の利用シーンをイメージした実用性、タイミング・時期でした。
例えば、お気に入りの火箸風鈴ですが、実際に家に置くとなったときに、「先端が尖ってて大丈夫か?」、「冬場は窓辺に置かないから使えないか?」、「室内想定なら風鈴タイプじゃなくドアベルのほうがよいか?」などの現実的な問題に直面します。
時期は年中聞きたいですし、風が吹いた時だけではなく、聞きたいときにいつでも聞きたいです。
できれば自動で鳴ってくれたらいいですが、それだと夜中はウルサイですし、手動も止む得ないかも、というのが雑感です。
整理しますと、以下の通りです。
- 好みの音(素材):高岡銅器、火箸
- 好みの音(形状):低音、余韻→火箸か大きいお椀タイプ、筒状も要検討
- デザインの好み :火箸は空間を占める割合が大きい、先端が鋭い→ややマイナス
- タイミング・時期:年中・自動で鳴ると嬉しい、任意でも鳴らしたい
整理して気がついたのは、風鈴選びは単なるきっかけで、本当は「風鈴の音色を聞いたときのリラックス効果」が、自分の欲しかったものでした。
■風鈴だけが、風鈴に非ず
ここまで自分の欲望が整理され、初めて新たな選択肢が浮かび上がります。
風鈴というより、あの余韻のある音色を生活に取り入れるにはどうしたらよいか?です。
以上をふまえ、いままでの候補をさらってみると、「高岡銅器」がお気に入りだった理由が、さらにはっきりしました。
高岡銅器は、元々が花器や仏具の製作メーカーで、「能作」や、「久乗おりん(山口久乗)」も仏具メーカーでした。
それらの技術をバックボーンに持つメーカーが、風鈴作りに参入してるのだから、その音色は特徴的な訳です。
”おりん” についても、聞き馴染みがないからスルーしてましたが、実は仏壇には欠かせないアイテムであることが判明し、色々なタイプが売られてました。
ちなみに、久乗おりんの音は、「日本音響研究所」によって、「f分の1のゆらぎ」の定義に適った音であると認められてるそうです。(https://www.sakoda.co.jp/shop/e/e2073103/)
■最終候補の面々
結局、手動で鳴らすのか、ドアにつけて開閉時に鳴らすのか、風で鳴らすのか、についてはまだ決めかねてるものの、出揃ってきた感はあります。
【能作】
ユニバーサルベル(3,630円)、ナースベル(4,290円)、ベルりん(8,470円)
「ユニバーサル」は、熊鈴のようです。
アウトドア用のデザインだから、気軽な感じで取り入れられます。
お遍路の人が持っている鈴のような音色です。
「ナースベル」、「ベルりん」は、地面に設置してても音がなり続けるのが特徴です。
ただし、両方ともせっかくの能作のデザインの良さが消えてるのが残念でした。
「ベルりん」については、(ベ、ベルりんて、、、)と何ともいえない気持ちになりますが、それを含めネーミングセンスには脱帽です。
カラーがもう少し良ければ!という感想です。
現時点、価格込みでユニバーサルベルが突出してるのではないでしょうか。
普通にカラビナを付ければ、風鈴にもなるし、鈴部分にカバーが施されてるため、壁や衣服に接地しても音が潰れる心配はありません。(ただし、置くと消えます)
また能作風鈴と比べ音色に遜色なく、価格だけお得な印象です。
見た目がカバーで覆われてる点は、真鍮の美しさを極めた能作デザインを堪能できないためマイナスですが、そこをどう評価するかで判断が分かれそうです。
【久乗おりん】
くまりん13(11,000円)、くまりん15(12,100円)、苔玉りん大(38,500円)※22年1月以降、くまりんは各9,900円、苔玉りんは36,300円からの値上がりです。
同じ熊鈴でも、「くまりん」は1万円以上します。
当然、音の響き具合い、余韻が全くの別物です。
能作も他の鈴やベルに比べ、音は断然良いのですが、久乗おりんは仏具の知見をそのまま熊鈴に投入して価格もそれ相応にした感じで、戦略の違いでしょうか。
ただしカバーはついてないので、リュックなどに触れると、おそらく音は消えてしまいます。
その圧倒的良い音色の熊鈴「くまりん」のさらに上を行くのが、「苔玉りん」です。
こちらは完全に、仏壇に置く”おりん”そのもので、音が本格的に仏教色を帯びてます。
お値段も当然それなりです。
【その他】
インテリア仏壇ルミエール・煌リン(14,000~18,000円)
高岡出身の仏具メーカーによる”おりん”です。
こぶりな分、低価格で音も可愛らしい感じですが、余韻はしっかりしてます。
・・・・・
ここまでをまとめると、「ユニバーサルベル」の優秀さが際立った、というのが正直な感想です。
久乗おりんも音は良いのですが、仏具に対する敷居の高さと、値段に対する敷居の高さがあり、ミスマッチしたときのリスクを考えると、最初の選択肢にはハードルが高いです。
熊鈴ジャンルなら、「くまりん」の音はケタ違いに良いですが、値段や日常使いの点など実用性を加味すると、「ユニバーサルベル」の使い勝手の良さが際立ちます。
除夜の鐘でクレームが来るこのご時世、都内で鳴り物を買うリスク(または買っても使えないリスク)もありますが、心を鎮めてリラックスしたいときに活用したいです。
イメージとしては、どこかにぶら下げておいて、気が向いたときに指で弾く感じです。
また、ドアへの取り付けも簡単にできるので、ドアベルの実証実験も可能です。
いつかは、火箸や砂張、サヌカイトを並べて、反響音に包まれたい願望があります。
しかし、現実には住む家と場所を選びそうなので、実用レベルで使いこなせる「ユニバーサルベル」。
名前もそう考えると、とても秀逸な一品です。
~後日譚~
想定した通り、いい感じです。